2009年11月1日(日)「しんぶん赤旗」
水俣訴訟
「和解に向け協議」
意見聴取会場 環境副大臣が表明
水俣病未認定患者らが加害者である国、県、チッソに損害賠償を求めるノーモア・ミナマタ訴訟で、田島一成環境副大臣は31日、「可能であるなら和解による解決を図りたい」として和解に向けた事前協議をはじめる考えを表明しました。水俣市での患者団体などの意見聴取の場で明らかにしました。
原告患者らは、司法が被害者を判定するシステムによる全員救済を求めてきました。11月18日にも追加提訴を予定し、原告総数は2000人を超える見込みです。
田島副大臣は意見聴取後、「裁判所での和解協議が成立する条件について、事前協議を開始することをこの場で申し上げたい」と述べました。
訴訟をしている水俣病不知火患者会の大石利生会長は「(和解に向けた協議は)当然のことだと思う。訴訟している患者だけでなく手をあげられず苦しんでいる人たちも含んだ全員救済の求めは変わらない。今スタートラインに立っただけ」と話しました。
原告弁護団の園田昭人団長は「前向きな発言。救済対象を誰がどう判断するのかが大きな問題。私たちは加害者である国ではなく裁判所にしてもらうことを求めている」としました。

