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2009年10月31日(土)「しんぶん赤旗」

国連総会第1委員会

核廃絶決議を採択

新アジェンダ案・日本案


 【ワシントン=西村央】軍縮・国際安全保障問題を扱う国連総会第1委員会は27、29の両日、合計10本の核兵器に関する決議を採択しました。このうち、核兵器完全廃絶の実現を求める「新アジェンダ連合」提案の「核兵器のない世界に向けて 核軍縮の約束実行の加速を」の決議は27日、日本提案の決議は29日に採択されました。


 新アジェンダ連合提案の決議案は賛成165、反対5、棄権4で可決されました。

 同決議は核保有国に対し、核軍縮で誠実に交渉するという核不拡散条約(NPT)第6条にそった核兵器完全廃絶の努力を要求。NPT非締約国のインド、イスラエル、パキスタンを名指しして、NPTへの早期、無条件加入を求めました。

 同決議について米国は、「提案国と緊密な協議を行ったが案文で合意に至らなかった」として反対しました。

 決議は総会本会議に送付され、12月に採決に付されます。

 一方、日本が16年連続で提案した決議案「核兵器の全面廃絶に向けた新たな決意」は、これまでで最高の賛成170、反対2、棄権8で採択されました。インド、北朝鮮が反対。棄権は中国、フランス、イスラエルなどです。

 同決議は9月にオバマ大統領主宰で開かれた安保理首脳会合を歓迎。NPTへの非締約国の早期署名や、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効を呼びかけています。

 核保有国に対しては、「透明性のある削減の実行」を要求し、米ロが戦略兵器削減交渉を開始したことに期待を表明しています。ただ、これまで通り、核廃絶を正面から要求する内容にはなっていません。

 米国はブッシュ政権時、日本提案の決議がCTBTの早期発効に触れているとして一貫して反対してきました。オバマ政権は同条約の早期発効の実現を掲げており、クリントン政権以来9年ぶりに賛成に回り、共同提案国にも加わりました。


 新アジェンダ連合 核兵器廃絶実現のために共同行動をとっている非核保有7カ国のグループ。スウェーデン、アイルランド、ブラジル、メキシコ、ニュージーランド、エジプト、南アフリカ共和国で構成。この7カ国とスロベニア(後に脱退)が1998年6月にストックホルムで「核兵器のない世界へ―新たな課題(新アジェンダ)の必要性」という共同宣言を発表しました。



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