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2009年10月31日(土)「しんぶん赤旗」

失業者支援 中小企業対策 温暖化問題

国民が望む具体策提起

市田書記局長が実現迫る

参院代表質問


 「日本共産党は総選挙で示された主権者の意思を実現するために全力を尽くす」―。市田忠義書記局長は30日、参院本会議で代表質問に立ち、雇用や中小企業、地球温暖化対策、沖縄米軍基地問題などで国民にとっての切実な問題に応える具体的提起を行い、鳩山由紀夫首相の決断を強く迫りました。(代表質問全文)


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(写真)代表質問をする市田忠義書記局長。奥は鳩山首相=30日、参院本会議

 市田氏は、首相が「国民一人一人の強い意思と熱い期待に応える」と所信表明で述べながら、「いま国民が最も望んでいる重要問題については、なんの具体的方策も明らかにされていない」として、首相の姿勢を厳しくただしました。

 深刻な雇用問題では、給付期間の延長措置を含まない政府の「緊急雇用対策」の不備を指摘。全国的に失業給付を延長できる規定の発動を迫りました。

 さらに市田氏は、連続した勤務に就けなかったために雇用保険の対象から排除されている失業者に対して、「雇用保険の特例を設けるなど生活支援を緊急に行うべきだ」と求めました。

 しかし、首相は「雇用保険財源が限られている」などと述べ、全国延長給付の発動などに慎重な立場を表明。市田氏が労働者派遣法の抜本改正や期限を限った働かせ方への法的規制を求めたのに対しては、「労働政策審議会で必要となる施策を検討し、実施していきたい」と述べました。

 日本企業の9割以上、雇用の7割を占める中小零細企業の経営危機の問題では、市田氏は四つの緊急課題を提起し、「仕事の確保を含めた総合的な緊急対策」を要求。首相は大企業の違法な「下請け切り」を防ぐために「独禁法、下請け法の厳正な執行」を述べるとともに、「新たな法制度の整備に取り組む」との立場を表明しました。

 また、市田氏は薬害肝炎患者の恒久対策のために「支援法を今国会でただちに実現させるべきだ」と迫りましたが、首相は「肝炎患者の思いが早急にかなえられるようにする」と述べたものの、今国会での支援法の成立には言及しませんでした。

 市田氏は、首相が掲げた温室効果ガス25%削減目標について、「問題はどうやって実現するかだ」として、温室効果ガスの最大排出源(全体の8割)である産業界に実効ある削減措置を取らせるよう要求。EU(欧州連合)などを例に、国と産業界の間で「公的削減協定」の締結を迫りました。これに対し、首相は「具体的な政策は閣僚委員会において検討する」と述べました。


 景気悪化から中小企業を守る四つの緊急課題 (1)中小零細企業向けの雇用調整助成金の抜本拡充(2)大銀行による貸し渋りをやめさせ、信用保証制度の拡充・改善で資金繰りを支える(3)大企業による違法な「下請け切り」をやめさせる(4)倒産・廃業しないための休業補償・直接支援を行う



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