2009年10月28日(水)「しんぶん赤旗」
府庁移転案を再否決
WTCビル購入費は可決
大阪府議会 共産党は反対
![]() (写真)府庁移転が否決されたWTCビル |
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大阪府の橋下徹知事が府議会に再提出していた大阪ワールドトレードセンタービルディング(WTC、大阪市住之江区)への府庁移転案をめぐり、府議会は27日、移転条例案を賛成52、反対60で再度否決しました。一方、庁舎は移転しないにもかかわらずビル購入予算案は賛成61、反対50で可決し、府民にとって理解しがたい結果となりました。
日本共産党は山本陽子議員が見解を表明し、府民の利便性、府民負担、防災対策など主要な観点から「現庁舎の耐震改修がすぐれている」と指摘。「関西財界と府、大阪市が一体となって見通しのない(移転先の)咲洲地区の開発計画をすすめるもの。府民不在そのものだ」と批判し、移転条例案に反対を表明しました。ビル購入予算案(85億円、債務負担行為)にも反対し、補正予算案から削除するよう主張しました。
府議会は定数112。移転条例案は出席議員の3分の2、予算案は過半数の賛成が必要です。会派内で賛否が分かれた自民(38)、民主(24)と公明(23)は、移転条例案の採決先送りとビルの購入予算を含む補正予算案可決の方向で26日午後から27日にかけて一晩中密室で調整を続けました。結局おりあいがつかず、ビル購入費を補正予算案から分離し、移転条例案とともにそれぞれ記名投票での採決となりました。自民、民主、公明は自主投票としました。
本会議閉会後の会見で橋下知事は「一歩前進。ゴールは庁舎移転」と述べ、当面、第2庁舎として活用していく考えを示しました。
WTCは大阪市の第三セクターが経営する大阪湾岸に建つ55階建ての超高層ビル。現在会社更生手続き中です。今年3月に府議会で移転条例案が否決されましたが、知事が関西財界の要請をうけ、「咲洲地区の活性化になる」として9月定例府議会に再提案していました。



