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2009年10月20日(火)「しんぶん赤旗」

協会けんぽ

支給水準引き下げ検討

理事者側 傷病・出産手当見直し


 中小企業のサラリーマンなど約3500万人が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ=旧政府管掌健康保険)は19日に開いた運営委員会で、傷病手当や出産手当などの現金給付について、支給水準などの引き下げを検討していくことを打ち出しました。

 傷病手当は病気療養で働けない場合に最長1年半、出産手当は産休中に、どちらも普段の給与額(標準報酬)の3分の2が支給されます。現在は、保険加入期間は両手当の受給要件になっておらず、加入直後でも受給できます。また保険加入期間の長さは傷病手当の支給期間にはかかわりません。

 この日の運営委員会で理事者側は、加入直後に高額な標準報酬を設定したうえで傷病手当を申請するなどの不正が発生しているとして、(1)支給水準や支給上限額の見直し(2)保険加入期間を受給要件にする(3)保険加入期間によって傷病手当の支給期間に差をつける―の三つの改悪方向を提起しました。

 運営委員からは「大企業の健保組合からリストラで協会けんぽに移ったり、不安定雇用で無保険になった人が、ようやく協会けんぽに入った直後に病気になる例がありえる」として、加入期間を受給要件にすることへの慎重論が出される一方、改悪方向を肯定する意見も出ました。

 理事者側は「今後、協会として検討をしたうえで、しかるべく手順を進める」としました。



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