文字の大きさ : [] [] []

2009年10月9日(金)「しんぶん赤旗」

台風18号

突風、増水 列島打撃

「怖かった」避難住民


 2年ぶりに上陸、日本列島を縦断した台風18号。8日、各地で多くの学校が休校したほか、突風で屋根が飛び、増水で橋が崩落するなどし、「川の水が多く、怖かった」と話す避難住民も。鉄道や航空の交通網は欠航や運休が相次ぎ、列島は大きな打撃を受けました。


 茨城県土浦市や龍ケ崎市では、屋根瓦が飛ぶなど大きな被害が出ました。

 8日午前5時すぎに、両市などで強風が発生。土浦市で50〜60棟、龍ケ崎市で約110棟の屋根瓦が飛んだり、物置が倒れたりしました。県内では、5市町村約2270軒が停電しました。

 被害が集中した土浦市宍塚の交差点付近では郵便局や住宅の屋根や住宅の屋根瓦、建物の外壁が飛ばされ、壊れた車やガレージ、倒れたフェンス、街路樹が突風の強さを物語っています。

 「しんぶん赤旗」日刊紙の配達中、発生直後の現場を通りかかった日本共産党の古沢喜幸土浦市議は「蛇行するように被害が出ているので竜巻だったのではないか」と話します。

 土浦市役所には住民から「竜巻だった」と報告があったといいます。

 同市のまとめ(8日午後1時現在)では突風を含む市内の台風18号による被害は倒木13件、家屋一部損壊7件、床下浸水2件など28件に上りました。

 龍ケ崎市に住む男性(70)は木を切ろうとして転倒、肋骨(ろっこつ)などを折る重傷を負いました。ほかにも、土浦市の女性(63)がガラスで指を切るなど2人が軽傷を負いました。

 土浦市の主婦は「停電になった直後、ゴーっという音がした。家の窓ガラスがバリバリと割れて家族で起きて居間に集まった」と話し、家族で、自宅屋根から落ちた瓦を片付けていました。

橋流れ国道寸断

愛知

写真

(写真)台風18号の影響で橋が流失し、寸断された国道=8日、愛知県知多市

 愛知県知多半島付近に上陸した台風18号によって、知多市を流れる2級河川、日長川にかかる東橋が8日未明に流失し、国道155号(片側1車線)が寸断されました。隣の歩行者用の橋は無事でしたが通行止めになっています。橋のすぐ近くには知多中学校があり、同校の生徒の通学路でもあります。

 この川は橋の上流100メートルほどのところで2本の川が合流しており、橋のところで川幅が狭くなっています。

 川沿いの橋の近くに住む会社経営者(45)は、「8日午前4時から5時ごろに川の水があふれた。家の前の道路が冠水し、一時は水深が30センチくらいになった。川の反対側の家では自家用車がドアノブまで水につかって動かなくなっていた。橋の下流側は最近川幅を広くしたが、橋のところはまだ狭くなっていた。この7、8年の間に3回もあふれた」と話していました。

堤防越え浸水

三重

 台風18号の影響を受け、三重県伊賀市の木津川では8日未明、川の水があふれ出し、同市は流域の60世帯、約120人に一時避難指示を出しました。

 市災害対策本部によると、木津川上流で午前2時から3時までの1時間の雨量が80ミリを観測。未明には堤防を越えた水が、比土市場地区の住宅街に流れ込みました。道路にあふれ、床下浸水した住宅もありましたが、同日朝になり、引き始めました。

 同市比土の会社員女性(47)は、公民館に避難しました。木津川近くに住んでいるといい、「川の水が多かったので怖かった」と話していました。

 松阪市や津市を流れる雲出川と雲出古川では、はんらん危険水位を超えたため周辺住民1751世帯に一時避難勧告を出しました。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp