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2009年10月9日(金)「しんぶん赤旗」

中小企業緊急雇用助成金を改善

支給まで3カ月→1カ月に短縮

共産党に業者が要望 政府動かす


写真

(写真)東京・町田市の高木さんの倉庫

 長引く不況のなかで、中小業者の雇用を守るための「中小企業緊急雇用安定助成金」制度を「もっと使い良くしてほしい」―中小業者から日本共産党に出されていた要望が実りました。

 「いやー、助かりました。自殺しなくてはならないなんて一時は思いつめてしまいましたから」と胸をなでおろすのは、東京都町田市で建設関連の仕事を営む高木竜司さん(58)=仮名=。

 高木さんは、新築のオフィスビル、マンションにメーカーがガラスやサッシを取り付ける際のクリーニングを仕事にしています。従業員は6人。3月末までは多くの仕事があり、外注に回さなければならないほどの忙しさでした。ところが4月以降、仕事が激減し、社員を休ませないと会社を続けられない事態に直面しました。

 8月25日、ハローワークに「中小企業緊急雇用安定助成金」の支給を申請しました。すぐ受理されましたが、窓口で言われたのは、「支給まで3カ月かかる」。

 驚いて日本共産党中央委員会にファクスを送りました。「3カ月も(従業員の)給料を100%立て替えることはできません。せめて、翌月までに実行するよう政府に要求していただけないか」

 これを受け、日本共産党の笠井亮衆院議員と小池晃参院議員が厚生労働省に説明を求め、要請。5日に助成金が入金され、1カ月余で支給されました。

 同制度は6月に見直された「雇用調整助成金」制度の中小企業版です。約7万7千事業所、157万6千人に適用(8月現在)されています。しかし、制度の活用では「申請書類を作るのに多くの時間と手間がかかる」「使い勝手が悪い」との声が中小業者から上がっていました。

 高木さんの場合、8月分の申請額は約38万円。仕事がとても少なかった9月は約69万円が休業補償の額でした。

 制度は労働者に100%の賃金保障をしないと、満額助成(1日1人あたり、上限7685円)を受けられません。このため、高木さんは、助成金を受けられるまで従業員6人分、月約180万円の給料を支払い続けなければなりません。支給日が一日でものびると、たいへんな負担になります。

 厚労省の担当者は、「職員が多忙で遅れた時期があった。運用、活用の仕方については、業者団体で説明会や勉強会を開いていただければ担当者が出かけていき、できるだけ丁寧に説明したい」と話しています。

周知・徹底を

笠井議員の話

 中小業者を守るうえで国が責任をもって、この制度をより使いやすく拡充し、周知、徹底をはかるべきです。

 相談会などを積極的に開き、申請するとりくみを広げてほしい。


 「中小企業緊急雇用安定助成金」制度 景気変動などの経済上の理由で一時的な休業、教育訓練をする労働者の雇用維持のため、雇用保険が適用されている中小・零細企業への助成。支給要件は、最近3カ月の生産量、売上高が、その直前3カ月または、前年同期と比べ5%以上減少した場合。支給限度日数は、3年間で300日。



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