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2009年10月8日(木)「しんぶん赤旗」

「6カ国」再開保障を

米朝進展条件に 米韓は慎重


 北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が、中国・温家宝首相との会談で、米朝協議の進展を条件に6カ国協議に復帰する意向を示したことについて、米国や韓国は、慎重な見方を示しています。

 米国務省のケリー報道官は6日の記者会見で、「中国との協議を通じて、詳細を知る必要がある」と表明。「中国の話を聞く前に性格付けはしない」として論評を避ける姿勢を示しました。在北京の米大使館を通じて中国側に協議を求めているといいます。

 報道によると、米国務省高官は6日、「米朝協議は6カ国協議の再開につながるものでなければならないという点で、各国の見解は一致している」と指摘。金総書記の発言が、6カ国協議の再開を保障したものかどうかについては、「中国の説明を聞いて判断する」と語りました。

 韓国の柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商相は5日、「中国が具体的な内容を伝えてくれることを期待している」と発言。「中国との論議を通じて、北側の真意を確認する必要がある」と語りました。

 韓国メディアの報道によると、韓国政府は、金総書記の「6カ国協議を含めた多国間協議」という発言の意図について、「綿密な検討が必要」だと判断。温首相が約束した大規模無償支援などについても、具体的な内容の説明を求めた上で、国連安保理の制裁決議に抵触するかどうか判断したいとしています。

 10日から北京で開かれる日中韓首脳会談で、温首相の訪朝結果について意見交換がされるものとみられます。(中村圭吾)

中国「重要なステップ」

 【北京=山田俊英】北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議で議長を務める中国の武大偉外務次官は7日、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が求める米朝対話について、「6カ国協議の枠組みにおける重要なステップで、協議のプロセス推進に役立つ」とする談話を発表、支持する姿勢を示しました。

 談話は「6カ国協議の枠組みは(2国間対話など)さまざまな対話方式を含む」と指摘。米朝対話を支持した上で「実質的な成果を望む」としています。

 これに先立ち6日には、中国外務省の馬朝旭報道局長が談話を発表し、米朝協議の実施を支持し、各国に6カ国協議の再開を呼びかけました。

 馬局長は、金総書記が朝鮮半島非核化の目標を堅持し、6カ国協議を含む多国間協議を通じて目標を実現したいと語ったことに「称賛」を表明。「米朝が2国間対話を進め、相互理解と信頼を増進することを中国は一貫して支持している」と述べました。その上で「各国は6カ国協議の過程を堅持し、早期再開に努力すべきだ」と求めました。



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