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2009年10月6日(火)「しんぶん赤旗」

後期高齢者医療

廃止先送りなら来年4月負担増

保険料アップ・軽減措置終了


 民主新政権も「廃止」を言明した後期高齢者医療制度。今すぐ廃止することが重要です。廃止が先送りされると、来年4月にはいっそうの負担増が待ちうけています。


 後期高齢者医療制度は、2年ごとに後期高齢者の人口、かかった医療費に応じ天井知らずに保険料が上がる仕組みです。このままいけば2025年には現在の倍以上の負担になります。

 初めての保険料改定時期が来年4月に迫るなか、実施主体である各都道府県の広域連合は、新政権の対応もみながら現在、保険料を試算している最中です。

 東京都の広域連合が、自公政権時代の仕組みに従っておこなった試算では、高齢者が一律に負担する均等割(現在、年間3万7800円)が最高で4万2600円に値上げされます。所得に応じて払う所得割も現在の6・56%から、最高で8・21%、最低でも7・36%へ引き上げられます。年金収入211万円の単身者の場合、保険料は最高で年間6万6400円(9600円増)、最低でも6万900円(4100円増)となり、高齢者の暮らしを直撃します。

 加えて、さらなる負担増のおそれもあります。

 後期高齢者医療制度は開始(08年4月)前から、現代版“うば捨て山”という批判が巻き起こり、自公政権は、開始早々、いくつかの負担軽減策を取らざるをえませんでした。

 その中で、(1)被用者保険の扶養家族から後期高齢者医療制度に移行した人の保険料の均等割を9割減額する(2)均等割の7割軽減を受ける世帯の軽減幅を8・5割にする―の二つの措置が、このままいけば来年3月で切れるのです。

 後期高齢者医療制度とは別に、70歳〜74歳の窓口負担を1割から2割へ引き上げる負担増も「凍結」されていましたが、これも4月から解除されます。

 被用者保険の扶養家族から後期高齢者医療制度に移行した人は、約200万人。その人たちへの軽減措置の4月以降のあり方は「今後検討」(厚生労働省)とされますが、廃止された場合、760億円の負担増になります。

 保険料の均等割の「8・5割軽減」を受けている人も約200万人で、「7割」に戻されると130億円の負担がのしかかることになります。

 制度廃止の先送りは、高齢者にいっそうの負担と混乱をもたらします。


 保険料均等割8・5割軽減の対象 夫婦2人世帯の場合で、妻の年金収入が80万円以下で、夫の年金収入が80万〜168万円の世帯。



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