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2009年10月2日(金)「しんぶん赤旗」

主張

来年度予算編成

国民の願い実現求める運動を


 鳩山内閣が来年度予算の編成作業に着手しました。

 閣議決定した「予算編成の方針」は自公政府が決めた「概算要求基準」を廃止すると明記しました。民主党の政権公約と3党政権合意を踏まえて各省が新たな予算要求を提出し、年内に政府案をとりまとめるとしています。

 同時に、これまでの政府税制調査会を廃止し、新たに財務相を会長として各省の副大臣らで構成する税制調査会を設置し、税制改定案も年内に策定する方針です。

社会保障抑制の転換

 自公政権は社会保障のあらゆる分野で抑制路線を強行し、医療でも介護でも生活保護でも、命と暮らしを脅かす深刻な事態を引き起こしてきました。鳩山内閣が自公政権時代の予算編成を踏襲しないのは当然です。

 民主党、社民党、国民新党の3党連立政権合意は、社会保障費の自然増を削減する「骨太方針」を「廃止する」としています。さらに高齢者に差別医療を押し付ける後期高齢者医療制度や、障害者に重い負担を強いる障害者自立支援法の廃止、生活保護の母子加算の復活を掲げています。

 いずれも国民の切実な願いに応える方針であり、その実現は社会保障抑制路線の転換につながる重要な課題です。民主党の政権公約や3党合意に含まれている高校授業料の無償化、国民が強く要求している雇用安定の対策、子どもと高齢者の医療費の無料化なども、早期の具体化が求められます。

 鳩山内閣の「予算編成の方針」は、「ムダづかいや不要不急な事業を根絶する」とのべています。その焦点の一つが公共事業の見直しです。この方針に従って、前原誠司国交相はダム建設の見直しや「国幹会議」(国土開発幹線自動車道建設会議)の廃止を明言しました。国幹会議は無駄な高速道路を造り続ける隠れみのになってきました。これまでの国幹会議の決定を含めて、事業を総点検する必要があります。

 目的さえ失った無駄な事業を続けるわけにはいきません。長年にわたって住民の意思を踏みにじって工事の継続に固執し、住民の暮らしを揺るがせてきた国の責任が改めて問われるのは当然です。

 無駄遣いを正す上で、約5兆円の軍事費の見直しも避けては通れません。軍事費を「聖域」にせず、米軍への「思いやり予算」や自衛隊の海外派兵経費などにメスを入れることが不可欠です。

 税制では、政権は今回の政権担当期間中は消費税率を引き上げないとしています。それなら、自公政府が今年度の税制関連法の付則に盛り込んだ、消費税増税法案を2011年度までに成立させるという条項は削除すべきです。

消費税は減税を

 消費税は低所得者ほど所得に対する負担が重い庶民に厳しい税制です。自公政治に痛めつけられた国民の暮らしを立て直すためには、むしろ消費税の減税に踏み切るべきです。食料品など生活必需品を非課税にするなど、低所得者への減税効果が大きくなるような方法での減税が必要です。

 来年度予算は自公政治を終わらせた歴史の新しいページに記す最初の予算です。国民にとって少しでもいい予算にするために、国民の運動と世論をいっそう強めていくことが求められます。



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