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2009年10月1日(木)「しんぶん赤旗」

温暖化防止情報開示訴訟

全面開示の一審維持

東京高裁


 省エネ法で報告が義務付けられた大規模事業所のエネルギー使用量などの情報を経済産業省が非開示にしたのは違法だとして、環境NGOの「気候ネットワーク」(浅岡美恵代表)が情報開示を求めていた控訴審訴訟で、東京高裁は30日、全面開示を命じた東京地裁判決(2007年)を維持し、国の控訴を棄却しました。

 気候ネットワークの浅岡代表らは同日、環境省で記者会見し、「国は上告せず、判決に服すべきである。開示請求したデータは、地球温暖化防止に不可欠の情報で、新政権は、残る316事業所の情報を開示すべきである」とのコメントを発表しました。

 開示が命じられたのは、新日本製鉄君津製鉄所(千葉県)、JFE西日本製鉄所(広島県)、東ソー南陽事業所(山口県)。同訴訟の原告代理人の小町谷育子弁護士は「今回の判断は、温暖化防止情報にとどまらず、情報公開法にもとづく法人情報の公開にも大きな影響を与えるもの」と述べました。

 同訴訟は、地球温暖化を招く二酸化炭素の排出実態を明らかにするため、経済産業省が企業秘密にあたるとして使用燃料の内訳や総量を非開示とした事業所のうち、主要17事業所の情報開示を求めて、大阪、名古屋、東京の3地裁で起こした国内初の裁判。これまで大阪、名古屋、東京の3地裁と名古屋高裁は国に開示を命じましたが、大阪高裁は不開示処分を容認したため、最高裁で審理中です。

 経済産業省が当初、非開示にしたのは、省エネ法で報告を義務づけられた5037事業所のうち15%。非開示事業所の二酸化炭素排出量は日本全体の約23%を占めています。



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