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2009年9月30日(水)「しんぶん赤旗」

セメイ市主催で夕食会

両国の反核運動連帯を

志位委員長ら招く


 【セメイ(カザフスタン)=田川実】旧セミパラチンスクのセメイ市を訪れた日本共産党の志位和夫委員長らは27日、同市主催の夕食会に招かれ、カザフスタンの民族料理を囲んで懇談しました。

 あいさつに立った国連開発計画(UNDP)の国内責任者も兼ねる同市役員のジャンナ・ジャグファルキジさん(58)は、日本政府とNGO(非政府組織)による核実験被害者への支援にあらためて感謝を表明。「私もこのセメイの現場で、苦しんでいる人々の状況を少しでも良くし、将来の世代への被害拡大をとめるため力をつくしたい」と述べました。

 ジャグファルキジさん自身、セミパラチンスクでの核実験を鮮明に覚えています。

 「毎週のように日曜日になると、家具をはじめ家全体が地震のように揺れました。私たちは普通の軍事演習だと思っていましたが、実際には知らないうちに核爆発の放射能が風で草原の村や町に運ばれていたのです」

 同じセミパラチンスク出身だったジャグファルキジさんの夫は、3年前に突然、胸に強い痛みを覚えるようになりました。原因は脳のがんと分かりましたが、1年後に亡くなりました。「それまで病気などしたことのない人でした。核実験の影響ではないかと思います」とジャグファルキジさんは声を震わせました。

 志位委員長は、「お悔やみ申し上げます。広島、長崎の被爆者の方々も長年、同じような苦しみを受けてきました。日本とカザフスタンが、核兵器の被害者を救済するため、世界から核兵器をなくすため、協力と連帯を強めましょう」と述べました。

 セメイ市では毎年8月6日と9日に加え、同国が核実験場を閉鎖した8月29日に、さまざまな記念行事がおこなわれます。志位委員長は、「日本の原水爆禁止世界大会が大きく発展しています。近年は内外の反核・平和団体だけでなく、多くの各国政府の代表も出席しています」とのべ、両国の反核平和運動について熱心な意見交換がおこなわれました。


セメイ副市長と懇談

写真

(写真)ムサピルベコフ副市長(左)と懇談し、握手する志位和夫委員長=27日、カザフスタン・セメイ

 【セメイ(カザフスタン)=田川実】旧ソ連のセミパラチンスク核実験場に隣接するセメイ市を訪れた日本共産党の志位和夫委員長は27日、市役所を訪問しました。出迎えたトルシンガジ・ムサピルベコフ副市長は、「日本とセメイは共鳴しあっています。同じ苦しみを体験してきたからです。訪問を歓迎します」とのべ、核実験の住民への被害、市・政府の対策、日本などからの国際的支援の現状について詳しく説明しました。

 「アスタナでの国際会議はどうでしたか」との副市長の質問に、志位氏が「『核兵器のない世界』をめざすことを明記した宣言が採択され、とても良い成果が得られました。核兵器廃絶での協力を強めたい」とのべると、副市長は「賛成です。カザフでも、日本でも、世界のどこでも、こうした悲劇を繰り返してはなりません」と応じました。

 志位氏は、副市長との懇談後、地元テレビ局3社のインタビューに応じました。セメイ市訪問の印象を問われた志位氏は、「子どもたちに障害が拡大していることに、本当に胸が痛みました。放射能被害の研究、治療などで、両国が協力を強めることが重要だと思います」と述べました。



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