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2009年9月25日(金)「しんぶん赤旗」

「核なき世界」へ決議

国連安保理 首脳会合で全会一致

核軍縮条約の交渉よびかけ


 【ニューヨーク=小林俊哉】国連安全保障理事会(15理事国)は24日、オバマ米大統領が議長となり、核軍縮・不拡散をテーマにした初の首脳級特別会合を開催しました。「核兵器のない世界」を目指した条件づくりに安保理として取り組む決意を前文に明記した米国提案の決議が、核保有5大国を含む全会一致で採択されました。


 決議は、核不拡散条約(NPT)締約国に対し、同条約6条に基づいて「核軍備の縮小に関する効果的措置について、および厳重かつ効果的な国際管理の下における全面的かつ完全な軍備縮小に関する条約について、誠実に交渉を呼びかける」と明記しました。

 核兵器廃絶を正面に掲げた国際条約の交渉とは異なるものの、NPT6条に基づき、核削減を含む軍縮条約の交渉を促進するとの決議が安保理で採択されたのは初めてです。

 決議は、NPTを核不拡散の「礎石」とし、NPT非加盟国に対し、加盟を促進することを盛り込んでいます。包括的核実験禁止条約(CTBT)早期発効も目指します。世界各地の非核兵器地帯条約・構想についても歓迎、支持すると表明しました。

 また、NPTの目的を推進する上で、市民社会の貢献にも言及。安保理として世界の核軍縮運動の役割を高く評価したものとなりました。

 北朝鮮、イランの核問題については、名指しはしないものの、過去の安保理決議を再確認しました。

 拘束力のある安保理決議として「核なき世界」をめざす国際社会の意志が示されたことは注目されます。第1次戦略兵器削減条約(START1)に代わる米ロ間の核軍縮条約交渉や、来年5月のNPT再検討会議に向けた国際的努力の前進が期待されることになります。


被爆国の責任果たす

安保理 鳩山首相が決意示す

 【ニューヨーク=坂口明】鳩山由紀夫首相は24日午前(日本時間同日夜)、核不拡散・核軍縮に関する国連安保理首脳会合で演説します。日本は「唯一の被爆国として果たすべき道義的責任」として「核軍拡の連鎖を断ち切る道を選んだ」と表明し、非核三原則の堅持を改めて誓い、「核廃絶の先頭に立つ」決意を示します。

 鳩山氏は、オバマ米大統領が4月の演説で「核兵器のない世界」の構想を示したことは世界中の人々を勇気づけたとし、包括的核実験禁止条約(CTBT)、兵器用核分裂物質生産禁止(カットオフ条約)の早期交渉開始を呼びかけます。

 北朝鮮による核開発については、国際の平和と安全への脅威であり、認めるわけにはいかないとし、対北朝鮮制裁に関する安保理決議1874の実効性を高めるため、さらに必要な措置をとると述べます。

 鳩山氏はまた、近隣国家が核開発を進めるたびに日本の核武装を疑う声が出るが、「それはわれわれの強い意志を知らないが故の話だ」として、否定します。



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