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2009年9月18日(金)「しんぶん赤旗」

困窮 さらに8900万人

金融危機、低所得国を直撃

世銀が報告


 【ワシントン=西村央】世界銀行は16日、世界的な金融危機が低所得国に与える影響についての調査報告を発表し、1日1・25ドル以下で生活する貧困人口が2010年末までにさらに8900万人増えるとの見通しを示しました。米ピッツバーグで24、25の両日に開催されるG20金融サミット(20カ国・地域の首脳会議)で、G20諸国が支援を増強することが必要だと訴えました。

 報告は「世界経済が回復の兆しをみせているなかでも、43の低所得の開発途上国が地球規模の景気後退の影響を受けて、今も苦しめられている」と指摘。これらの国では、教育、医療、インフラ整備、社会的保護という国民生活を支える支出で、116億ドル(約1兆500億円)の費用が不足すると警告しています。

 貿易、産業面での影響でも、低所得国からの輸出は世界貿易縮小の影響を受け、09年は5〜10%落ち込み、民間投資では07年の300億ドルから08年は210億ドルに減少し、09年は130億ドルへとさらに低下すると予測しています。

 世銀のゼーリック総裁は声明で「G20では最貧国の代弁が十分でないかもしれないが、貧困国の国民の健康や教育での低下がもたらす長期的影響を無視することはできない」と支援を呼びかけています。


 低所得国 世界銀行の定義で、2008年に国民総所得(GNI)が国民1人あたり975ドル(約9万円)以下の諸国。日本の国民1人あたりGNIは07年で3万7670ドル(約347万円)です。



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