2009年9月17日(木)「しんぶん赤旗」
「米、急速な衰退」も
英研究所 「戦略概観」を発表
【ロンドン=小玉純一】世界的な有力シンクタンク、英国際戦略研究所(IISS)は15日、国際情勢に関する年次報告「戦略概観」2009年版を発表しました。
「概観」は米国について、依然「世界最強国」とする一方で、対テロ軍事行動による戦略的能力の弱体化や金融・経済危機などにより、米国の「不可避で急速な衰退」を示唆する見方があると指摘。オバマ政権の課題は「米国の威信の回復」であり、「米国の進路を変える野心的計画に着手」したが「評価するには早すぎる」と述べました。
「概観」は、オバマ政権の対外方針には「米国の戦略的利益の計算」とともに「米国がすべての問題には回答を持っていないという暗黙の認識がある」と指摘。また、オバマ大統領が「他国に米国の見方を強要する米国の能力の限界」や、「米国の地位回復の努力は長期にわたる」ことを認識していると分析しています。
「概観」は、金融・経済危機がもたらした課題として、▽資本主義の弔いの鐘が鳴ったのか▽米国の衰退を早めるのか▽経済的な勢力バランスは中国・インドに移るか▽貧困国への影響は何か▽G20は世界統治の方法を変えるか―を問うています。

