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2009年9月14日(月)「しんぶん赤旗」

「しんぶん赤旗」主催 囲碁第34期新人王戦

決勝3番勝負 16日から

三谷五段 乱戦好む棋風

李七段 出るべき棋士


 囲碁新人王戦(しんぶん赤旗主催)は、第34期のことしも元気はつらつの新人2人が決勝に出てきました。四段から七段へ一気に三段跳びの昇段をして注目されている李沂修(り・いしゅう)七段(21)と、ことし上り調子の力戦派棋士、三谷哲也五段(24)です。決勝3番勝負はいよいよ16日から始まります。


 両者とも昨年、準公式戦とはいえ李七段が中野杯、三谷が若鯉戦という若手棋戦を制しています。今回の新人王戦は、どちらが本当の若手最強棋士かを決める絶好の舞台になりました。

 ことしに入ってからの李七段の充実ぶりは目を見張るものがあります。昨年11月から今年5月にかけて9連勝と7連勝を記録し、柳時熏九段、坂井秀至七段、王銘琬九段といった高段者を破っています。ことし1月から8月末までの成績は24勝6敗。勝率は8割に達しています。

 段位も、ことし1月にはまだ四段でしたが、棋聖リーグに入ったことにより一気に七段に昇段しました。新人王戦の優勝候補として、もっとも有力な棋士と見られていたので、今回の決勝進出は出るべき棋士が出てきたといっていいでしょう。

 三谷五段も、勝数では李七段に及ばないものの、8月末までのことし成績は13勝5敗、勝率7割2分2厘。とくに6月から9月初めにかけては、9連勝を記録し、絶好調といっていい勝ちっぷりです。乱戦を好む棋風がよく知られ、以前からプロ間でも評価の高い棋士です。

 今期トーナメントでは、2回戦で女流第一人者の謝依旻(しぇい・いみん)女流本因坊・女流名人を下した後は、関西棋院の若手代表格とされる村川大介五段と瀬戸大樹七段を連破して決勝進出を果たしました。

 いま囲碁界の頂点の座をかけて名人戦7番勝負をたたかっている張栩名人と井山裕太八段も新人王経験者です。16日から始まる決勝3番勝負は、一流棋士への登竜門として、名人戦とともに目が離せないものとなるでしょう。


三谷哲也五段の話

すべて出し切る

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 今期トーナメントは運良く勝ち上がりました。ひんぱんにあるチャンスではないので、自分の力をすべて出し切ることだけを考えていきたい。

 昨年の若鯉戦優勝は、非公式戦とはいえ、大きな経験でした。ちょっと自信になっています。

 李七段は、じっくり腰を落として細かい勝負に持ち込み、ヨセで小差で勝ち切るという碁です。最近彼とは打ってないので、昔のイメージしかありません。今回、どんな碁になるか、楽しみにしています。勝敗は神のみぞ知る、です。

 略歴 群馬出身、24歳、安藤武夫七段門。02年入段、08年五段。

李沂修七段の話

最後のチャンス

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 今回が最後のチャンスなので、とにかくがんばりたい。

 これまで年間20勝を超えたことはなかったのですが、ことしは8月末にすでに超えていますから、明らかに去年までと違う。自分でもかなりびっくりしています。

 三谷さんの碁は、読みが深くてたたかいを好む力碁です。私も、状況次第ですが、たたかいを挑まれれば避けることはありません。

 番碁は初めてで、新鮮な感じがします。楽しみにしています。

 略歴 台湾出身、21歳、潘善h七段門。05年入段、09年五段、同年棋聖戦リーグ入りし七段に昇段。


観戦記者の予想

乱戦になる予感

 村瀬喜之さん 三谷さんは、とても手厚い碁で、後半に力をだす棋風。五段以下の棋士で争われる若鯉戦の初優勝が自信になっている感じです。

 一方の李さんは、どちらかというと足が速く、かつしぶとい。すでに一流棋士といってもよいが、未熟さもあり、準決勝では負け碁を拾っています。

 結論。乱戦になる予感。三谷さんは上り調子ですが勝負にちょっと甘さがある分、李さん乗りか。きわどい勝負になると思います。

実績なら李だが

 関根新吾さん 実績で先行する李七段が有利と見る声が大きいでしょうが、三谷五段の実力もけっしてひけをとるものではありません。

 サラサラと地を争う展開なら李七段、ゴツゴツした乱戦含みの展開なら三谷五段のペースと予想します。

●3番勝負の日程●

第1局 9月16日(水)、東京・日本棋院

第2局 9月25日(金)、同

第3局 10月7日(水)、同

図

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