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2009年9月13日(日)「しんぶん赤旗」

少人数学級は急務

日本の小中学クラス人数基準

米独は30人以下なのに


 日本の小・中学校の1クラスの人数は、経済協力開発機構(OECD)諸国(30カ国加盟)の平均と比べて多く、依然として教育条件が劣っていることが分かりました。国による少人数学級の実施が急がれます。

OECD平均実態でも超す

 8日に発表されたOECD調査では、日本の1クラスの平均人数(2007年)は、小学校28・2人、中学33・2人で、それぞれOECD平均の21・4人、23・9人を大きく上回りました。

 中学校のクラス人数では、比較可能なデータのある21カ国のうち、30人を上回るのは日本と韓国の2カ国だけでした。

 日本は国の学級編制の基準(1学級の子どもの上限数)が40人です。文科省の「教育指標の国際比較」(09年)によると米国の学級編制基準は、小学3年までは24人、6年までは29人(ケンタッキー州)、ドイツは小・中学校で30人(ノルトラインウェストファーレン州)などとなっています。日本は先進国中でも遅れたクラス人数が続いています。

 30人学級を求める全国的な運動を受け、2001年の法改正以来、都道府県が人件費を全額負担すれば独自の少人数学級編制が可能となりました。今では、46道府県にまで広がっていますが、自公政権は依然として少人数学級の実施を拒んできました。

 日本共産党は、「教職員の純減を決めている行政改革推進法を凍結し、政府の『教職員一万人削減計画』をやめさせ、教職員定数増をはかり常勤教員を増やして、国として『30人学級』を実施させる」(総選挙政策)ことを求めてきました。

 民主党も、「OECD加盟の先進国平均水準並みの教員配置を目指し、少人数学級を推進する」(政策集)との立場で、新政権でこれを実現することが重要になっています。

 このほか、OECDの調査では、日本の教員の勤務時間が長いことが分かりました。

長時間勤務も

 日本の小・中学校における教員の残業を含まない勤務時間(2007年)の合計は、1960時間です。これは比較可能なデータのある17カ国中最も多く、OECD各国平均(小学校1662時間、中学校1652時間、高校1656時間)を大きく上回りました。

 全日本教職員組合の「教職員長時間過密労働問題プロジェクト」(09年1月)によると、実際には日本の教員は毎月平均で80時間の残業をしており、OECD平均を年間で1200時間以上超えて就労していることが明らかになっています。(鎌塚由美)



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