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2009年9月11日(金)「しんぶん赤旗」

欧州委がベルギー支援

雇用対策 2168人職場復帰が可能


 欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会は9日、ベルギー政府からの2件の申請を承認し、欧州グローバリゼーション調整基金(EGF)による同国の繊維産業の雇用対策事業に総額920万ユーロ(約12億3千万円)の支援を行うことを決定しました。これにより2168人の労働者の職場復帰が可能となります。

 支援の対象となるのは、同国東部のリンビュルク、東西フランデレンの3県の中小企業で解雇された労働者。

 ウラジミル・シュピードラ雇用担当欧州委員によると、ベルギーの繊維部門雇用の87%はこの3県に集中しており、雇用状況は繊維部門でとくにぜい弱となっています。リンビュルク県では7企業で631人が解雇され、東西フランデレン県では39企業で1568人が解雇されています。

 欧州での繊維・被服産業の大規模な再編成は1990年代から始まりました。ブラジル、インドなどのEUからの輸入関税の引き上げ、中国やトルコなどからの輸入枠の自由化によって加速。さらに英国の不動産部門の不況で室内装飾材料などの輸出が減少したことが深刻な影響を与えました。また最近の経済・金融危機も打撃となりました。

 EGFによる支援には、適性検査、面接技術訓練、個別の求職活動支援、職能援助、転職あっせんなどが含まれます。1400万ユーロが必要とされ、EGFから920万ユーロが支出されます。


 欧州グローバリゼーション調整基金(EGF) 欧州議会と欧州理事会によって2006年末に設置。グローバリゼーションの影響で失職した労働者を支援します。08年に始まった金融・経済危機に対応するため、今年6月に迅速な対応が可能な機関として強化され、今回のベルギーの2件が初めての適用。これまでEGFには26件、総額1億4300万ユーロ(約190億円)の申請があり、約3万2200人の労働者の再就職などを支援しています。



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