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2009年9月8日(火)「しんぶん赤旗」

軍犯罪に初の有罪判決

グアテマラ内戦 弾圧関与の元軍人


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 中米グアテマラで36年間続いた内戦中に親米政権による人権弾圧に関与したとして、元軍人のフェリペ・クサネロ被告にこのほど有罪判決が出されました。内戦中の軍による犯罪が有罪とされるのは同国史上初めてです。人権団体は「歴史的一歩」と歓迎しました。

 クサネロ氏は1982年から84年にかけて、首都グアテマラ市近郊のチマルテナンゴ市で、親米独裁政権に反対する農民6人を行方不明にさせた罪に問われていました。

 チマルテナンゴ市の裁判所は1日、クサネロ氏に対し禁固150年の有罪判決を出しました。同氏の上官だった軍人2人の責任についても地元検察に調査を命じました。

 国連によると、内戦による死者、行方不明者は合計で約25万人。このうち8〜9割は軍関係者によって暗殺あるいは行方不明にされたといいます。しかしこれまで裁判にかけられた軍人は少数にとどまっています。

 国内の人権団体は、今回の判決を一様に歓迎しています。人権訴訟センターのマリオ・ミネラ所長は、BBC放送に対し、「グアテマラの歴史における重要な一歩だ。何千人もの遺族に希望の光を与える判決だ」と語りました。 (島田峰隆)


 グアテマラの内戦 農地改革など民主的な変革を進めたアルベンス政権に対し、1954年、米中央情報局(CIA)が支援する反政府軍が介入。アルベンス政権は転覆され親米独裁政権が誕生しました。60年から反政府勢力との間で内戦となり、96年の和平合意まで続きました。


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