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2009年9月3日(木)「しんぶん赤旗」

年金施設 今年63売却

営利企業が入手 もうけに利用

国民の財産切り売り


 国民が納めた年金や健康保険の保険料でつくった「サンピア」「ハートピア」などの年金・福祉施設が、ことし1月からの8カ月間で、計63施設、売却されていたことがわかりました。落札者が明らかになっている32施設のうち、22施設が不動産業者や建設会社など営利企業が入手、「宅地分譲」「有料老人ホーム」など、もうけの対象になっています。


 年金・福祉施設の売却は、2005年6月に成立した「年金・健康保険福祉施設整理機構法」にもとづいてすすめられています。同法は、自民・公明両党の賛成で成立しました。

 同法を受けて発足した厚生労働省所管の独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構」が、全国の厚生年金会館(ウェルシティ)や健康福祉センター(ウェルサンピア)、社会保険健康センター(ペアーレ)など、計299施設を売却しようとしています。

 同機構がホームページで公表している落札結果一覧によると、ことしに入ってから、8月28日までに売却されたのは、63施設にのぼります。

 落札者名、用途・目的については、落札者の同意が得られたものだけ掲載しています。このため、落札者が「法人」「個人」とだけ表示されているのが、それぞれ21と10の計31施設で、不透明です。

 落札者が公表されている32施設中、約7割にあたる22施設が営利企業です。ほかは自治体(市土地開発公社ふくむ)4、医療法人3、学校法人2、社団法人1となっています。

 営利企業の中には、トヨタ自動車のグループ企業「トヨタホーム岐阜」が、「サンピア岐阜」を「分譲住宅用地」として4億7千万円で取得しています。松山市の建設業者は「愛媛厚生年金休暇センター」を2億4千万円で取得、「宅地分譲」を計画しています。国民の貴重な財産が、民間企業に切り売りされています。

 埼玉県越生(おごせ)町の「埼玉厚生年金休暇センター」(8月21日)、愛知県犬山市の「サンパーク犬山」(同24日)など、応札者がなく、入札が「不成立」になっている施設もあります。同機構は、09年度内に、残りの21施設を売却、完了する方針です。



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