2009年8月26日(水)「しんぶん赤旗」
米司法省
水責め、睡眠妨害、銃で威嚇
CIAの拷問実態公表
【ワシントン=西村央】米司法省は24日、ブッシュ政権時代の2004年に米中央情報局(CIA)の監察官が作成した内部報告書の非公開部分を一部公表し、9・11同時テロの容疑者に対して加えられていた拷問の実態を明らかにしました。
この日明らかにされたのは、04年5月7日付で作成された「対テロでの拘束と尋問活動」との報告。01年9月から03年10月までの期間とされています。
159ページに及ぶ報告は黒塗りされた部分も多く、完全なものではありません。
それでも報告書の随所には、水責めや睡眠妨害などに加え、銃や電気ドリルを使っての威嚇など拷問の実態が記述されています。容疑者にたいして、息子を殺害するとの脅迫などもありました。
報告書では、尋問の際に「許可されていないもの、人道に反する行為」が用いられたとされており、拷問を加えていたことを物語っています。
これら拷問の実態については、拘束されていた元容疑者らがこれまでも証言していました。しかし、チェイニー前副大統領を含むブッシュ政権時の当局者は、拷問が行われていたことを否定し、尋問は合法的なものと主張していました。
この日の文書一部公表にあたり、CIAのベネッタ長官は職員にあてたメッセージで、「なされた行為は過去のものであっても、これを正していくことは過去のことではなく、今日、未来の課題である」と述べています。

