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2009年8月25日(火)「しんぶん赤旗」

日テレが検証番組

「バンキシャ」誤報 幹部が謝罪


 日本テレビの報道番組「真相報道バンキシャ!」(昨年11月23日放送)が虚偽の証言をもとに岐阜県庁の裏金疑惑を報じた問題で、同局は23日、検証特集を同番組内と深夜の2回放送しました。放送倫理・番組向上機構(BPO)放送倫理検証委員会の勧告を受けてのものです。

 冒頭、同問題で引責辞任した久保伸太郎前社長が、岐阜県庁や県民、視聴者に対し「深くおわび申し上げます」と謝罪。誤報の原因について「報道局内の上司と部下との間の報告、連絡の在り方など、基本中の基本をおろそかにしていた」と説明しました。

 番組では、再発防止策として(1)調査報道は事前に放送日を決めない(2)危機管理アドバイザーチームの常設(3)新たな研修制度の創設―をあげました。3月1日に放送した訂正放送についても、「不適切だった」と認めました。

 その上で、細川知正社長が「BPO勧告を真摯(しんし)に受け止め、番組全体を総点検し、信頼回復を目指す」とのべました。

 また、同局は24日に検証報告書(24ページ)をホームページで公表しました。


解説

「ゆがみ」の根本に迫れ

 「真相報道バンキシャ!」誤報問題の検証番組は約30分。当時のスタッフの証言や、BPO委員会の勧告に沿った形で、誤報を生んだ背景に迫りました。

 そこで露呈したのは、情報提供募集サイトの安易な利用や、最初に放送日ありきの制作システム、組織構造上の問題です。

 現場ディレクター自身が取材に不安を感じているのに、「放送の判断は本社で」と上層部任せ。一方の社員の幹部スタッフは「(現場の不安は)知らなかった」。番組責任者であるチーフプロデューサーは、放送するかを判断する最終の会議に出席していなかったばかりか、岐阜の裏金告発証言についてすら知りませんでした。

 BPO委員会の勧告でも「日本テレビ社員が頭脳で、制作会社からの派遣スタッフが手足という役割分担」「それぞれが空洞化」と厳しく指摘しています。当時の足立久男報道局長は「組織のゆがみが出た」と率直に反省の弁をのべました。しかし、「ゆがみ」がなぜ生まれたのか、その根本に番組が迫れなかったのは残念です。

 再発防止策の一つとしてあげた社内論議も映像だけでした。問題に対する社員一人ひとりの思いを伝えることも、検証の大きな要素ではないでしょうか。(佐藤研二)


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