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2009年8月22日(土)「しんぶん赤旗」

子ども大切にする社会へ

「教育のつどい」始まる


 「みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい―教育研究全国集会2009」(26団体でつくる実行委員会主催)が21日、東京・日比谷公会堂での開会全体集会で始まりました。同日夜には9テーマで教育フォーラムを開きました。「つどい」は23日まで。


 「どの子にも勉強が楽しいといわせたい」「子どもたちの笑顔をみたい。教職員増と30人学級実現を」―。青年教職員の発言に会場につめかけた2300人の大きな拍手が起きました。

 東京の父母、教職員、生徒たちが東京での教育運動を合唱や寸劇で披露しました。『バッテリー』などの作品で知られる作家、あさのあつこさんが三上満さんや青年教員、高校生とトーク。参加者は笑いをはじけさせ、子どもたちと向き合うなかで成長するおとなを書きたかったなどの、あさのさんの発言に大きくうなずいていました。

 実行委員会の山口隆代表委員(全日本教職員組合委員長)は、貧困と格差の拡大や改定指導要領の前倒し実施など困難のなかで、子どもの実態をリアルにつかみ教育実践や教育運動をすすめようと呼びかけました。総選挙中の開催となったことにふれ、「子どもを大切にする社会をどうつくるかを考えあおう」と訴えました。

 小学生の子どもを連れて参加した東京都武蔵村山市の女性(40)は、「ちょっとしたきっかけで学級崩壊も起きかねないのがいまの学校です。30人学級をぜひ実現したいと思っています。先生と私たち父母と一緒になって運動したい」と語っていました。


“なくせ貧困”大合唱

生徒・教師ら心一つに

開会集会

 「教育のつどい」開会全体集会は、参加者全体による「あなたが夜明けを告げる子どもたち」の大合唱で、「子どもを貧困と格差から守ろう」「人間を大切にする教育を」と気持ちを一つにしました。

 岐阜県から参加した高校教師(51)は、「あさのあつこさんのトークを聞いて、10代の子どもたちの世界を考え直していきたいと思いました。家庭の貧困と経済格差の広がり、点数競争や教師の多忙化など大変です。でも、もう一度、子どもの姿や思いを語り、学びあい、確認していきたい」と語りました。

 中学のころ不登校になり、今は登校拒否・不登校問題全国連絡会世話人をしている大阪市の女性(30)はいいます。「あさのさんの、きれいごとだけでなく自分のありのままを受け止め、子どもに対峙(じ)している姿がよかった。10代は将来のための準備期間でなく、10代のステキさがあるということなど、いろんなことに気づかされました。分科会では今の学校現場のことや先生の実践を知りたい」

 「今一番現場で感じているのは学力偏重になっていること」と話すのは、群馬県から参加した小学校4年生の担任教師です。「子どもはみんなわかりたい、伸びたいと思っている。詰め込みにならないように勉強の楽しさを伝え、学力を伸ばすためにどうしたらいいか、この集会でつかみたい」と話しました。

 初めて参加した千葉県の中学校教師(49)は、「教師の数をもっと増やしてほしい。多忙で健康を害している仲間もいます。この集会で授業のやりかたをすぐれたリポートを通して学びたい」と話します。

 合唱構成劇に出演し、私学助成の拡充のとりくみを寸劇にした私立高校の高校生たち。「友だちの両親は働いていなくて、その子はバイト漬けになって学費をためています。そんな苦しい思いをしなくても学校に行けるようにしてほしい」などと話しました。



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