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2009年8月20日(木)「しんぶん赤旗」

データでみる総選挙の争点(2)

社会保障を削減から拡充へ

国民のくらし支える
雇用増でも力を発揮


 日本共産党は「自公政権がとりつづけてきた社会保障削減路線を撤回し、くらしを支える社会保障制度の拡充へと大きく転換すること」を求めています。

 自公政権は、2002年度から社会保障費の自然増を毎年2200億円削減してきました(初年度は3000億円)。この8年の累計額は8兆5600億円にも上ります。

 そのため、年金制度の改悪(04年施行)、生活保護の母子加算廃止(05年から段階的実施)、障害者自立支援法(06年)、後期高齢者医療制度(08年)など社会保障制度が連続で改悪されました。その結果、社会的弱者が社会保障制度から真っ先に排除され、貧困と格差を是正するどころか、貧困に追い打ちをかけています。

 国民の批判と実態に押され、自公政権は来年度は社会保障費を削減しないとしています。しかし、削減路線自体は撤回していません。安心できる社会保障を実現するためには、この路線を転換することが不可欠です。

 日本共産党は「社会保障の削減から拡充への転換は、景気対策としても大きな力を発揮する」と考えています。

 つまり、社会保障を拡充することで、現在のくらしを支え、将来不安の解消にも大きく貢献し、内需の大きな柱である個人消費をあたためることができます。その効果はまた、雇用や地域経済にも大きく波及します。

 08年度厚生労働白書によれば、社会保障分野の生産波及効果は全産業平均より高く、「精密機械」や「住宅建築」と同程度です。また、産業ごとの「雇用誘発計数」(ある産業において需要が1単位発生したときに直接・間接にもたらされる労働力需要の増加を示すもの)を比較すると、1位の介護をはじめ、社会保障分野が上位を占めています。社会保障を拡充させることによって、雇用が生み出され、生産に波及効果をもたらすことは、厚生労働省の「お墨付き」なのです。

 深刻な経済危機だからこそ、くらしからも景気からも社会保障の拡充が必要です。(つづく)

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