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2009年8月16日(日)「しんぶん赤旗」

朝鮮半島の軍縮を

韓国大統領、北に提案

核放棄なら経済支援


 韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は15日、日本による植民地支配からの解放を記念する「光復節」式典での演説で、北朝鮮と韓国が相互に通常戦力を削減する軍縮を提案しました。北朝鮮が核開発を放棄するなら、大規模な経済支援を含む「新しい平和構想を推進する」として、南北対話を呼びかけました。(面川誠)

 韓国メディアによると、同国大統領が通常戦力の軍縮を北朝鮮に呼び掛けたのは初めてだといいます。

 李大統領が提唱した「新しい平和構想」は、北朝鮮が「核放棄の決心を見せる」ことを前提に、南北経済共同体を実現するための高官級会議を設置し、関係国と国際機構と協力しながら経済、教育、財政、インフラ、生活向上の分野にわたる「対北朝鮮五大プロジェクト」を推進するというもの。さらに、朝鮮半島の非核化と並行して通常戦力を削減するという構想です。

 李大統領は演説で、「ばく大な予算と費用を減らすことができ、南北がともに経済を発展させる上で大きく寄与する」と強調しました。

 こうした構想を話し合うために、「いつ、いかなるレベルでも南北間のすべての問題に関する対話と協力を始める準備ができている」と北朝鮮に呼びかけました。

 これまで李大統領は、北朝鮮への支援策について、(1)核施設の無能力化(2)核施設と核兵器の廃棄履行(3)核廃棄の完了―の3段階に分けて進める構想を示してきました。6カ国協議の合意が段階的履行になっていることに沿ったものです。

 6カ国協議の中断が長引く中、米国のクリントン国務長官は先月、北朝鮮の核廃棄と同国への支援などを細かな段階分けなしに推進する「包括的措置」を提案しました。

 李大統領の「新しい平和構想」も段階分けを省いており、米国と歩調を合わせたものになっています。



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