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2009年8月15日(土)「しんぶん赤旗」

農業の再生へ 日本共産党はこう考えます

安心して励める農政へ大転換を


 日本の食料自給率が長期にわたり40%前後に低迷しており、自給率向上に向けて農業の再生は「待ったなし」です。日本共産党は、農業を国の基幹産業と位置づけ、その再生と発展を目指します。


壊滅的打撃与えるFTA・EPA反対

食料主権尊重 WTO見直し

 農業再生が急務であるときに、民主党が日米自由貿易協定(FTA)の「締結」を政権公約に明記(後に「交渉を促進」に修正)したことで、農業への大打撃が必至だと、強い懸念が起きています。

 日米財界団体である日米経済協議会の委託研究「日米EPA:効果と課題」(2008年7月)の試算によると、日米経済連携協定(EPA)による関税撤廃で、国内の農業生産が激減します。米の生産は82%、穀類は48%、肉類は15%、それぞれ減少します。

図

(写真)炎暑の中、早場米の刈り入れ=高知県南国市(グラフは日米経済協議会委託研究「日米EPA:効果と課題」から作成)

 自民・公明政府が交渉中のオーストラリアとのEPAも、国内生産に打撃を与えます。農林水産省の試算(06年12月)によると、小麦の生産は99%、砂糖は100%、乳製品は44%、牛肉は56%、それぞれ減少します。

 農水省の試算(07年2月)によると、FTA/EPAで関税が完全に撤廃された場合、日本の食料自給率は12%にまで下落します。

 日本共産党は、日本の農業・食料や国民の利益に重大な打撃を与えるFTAやEPAには、絶対に反対です。

 1993年12月、当時の日本新党、新生党、新党さきがけ、社会党、公明党など8党・会派連立の細川護煕内閣が、関税貿易一般協定(GATT)ウルグアイ・ラウンド交渉の「合意」を受諾し、米の輸入に道を開きました。94年12月、当時の自民党、社会党、新党さきがけが連立した村山富市内閣のもとで、米を含む農産物の輸入を全面自由化する世界貿易機関(WTO)農業協定と関連法が、与党のほか、細川内閣の旧連立与党の賛成で成立しました。

 この過程を通じ、日本共産党は、日本農業を守る立場を貫きました。WTO農業協定が世界の農業・食料事情と相いれないことが明らかな今日、各国の食料主権を尊重する方向でWTO農業協定を根本から見直すよう求めます。輸入機会の提供を義務であるとみなして行われている、年間77万トンものミニマムアクセス米の輸入をただちにやめるよう求めます。

自給率50%台へ 価格保障と所得補償

市場任せやめ 成り立つ経営

 日本共産党は、当面の目標として食料自給率50%台の回復を最優先し、その達成に向けた「日本共産党の農業再生プラン」の実現を目指します。農業経営を安定して持続できる条件を最重視し、価格保障と所得補償の拡充を基本に生産コストを保障します。農産物価格を“市場原理”に任せ、流通大手の“買いたたき”が横行しては、農業経営が成り立ちません。

グラフ

 米については、不足払い制度によって、1俵(60キロ)=平均1万7000円の生産者米価(家族労働費を含む)を保障します。さらに、国土や環境を保全する水田の役割を評価し、10アール当たり1万円、米1俵に換算して1000円前後の支払い(所得補償)を実施します。これを合わせて、1俵=1万8000円程度を確保します。

 また、当面、現行の政府備蓄の100万トンに不足する分(10万トン)の緊急買い入れを実施し、米価暴落の回避に努めます。

 他の主な農畜産物についても、それぞれの条件に合った価格保障と所得補償を実施し、増産を促します。

家族経営が主役 規模で選別しない

続けたい人すべてを支える

 日本農業は、小規模家族経営も含め、多様な規模の経営に支えられてきました。農水省の統計でも、耕地面積が4ヘクタール未満の経営が、稲作付面積の70・5%までを担っています。食料自給率向上、農業再生には、経営規模で選別せず、農業を続けたい人すべてを応援する農政が必要です。

 歴代政府は、工業製品輸出を優先し、見返りの農産物輸入自由化を前提に、農業経営の大規模化を進めてきました。07年度からは、「水田・畑作経営所得安定対策」(品目横断的経営安定対策)を実施し、一定規模以上の「担い手」だけを支援対象としました。

グラフ

 先の国会では、「担い手の多様化」を口実に、農地法が改悪されました。「農地は耕作者のもの」という原則が壊され、株式会社の農地利用に道が開かれました。

 しかし、大規模経営や株式会社であれば、農業経営が成り立つという保障はありません。農水省調査(08年9月現在)でも、一度は農業に参入し、その後撤退した企業が31法人にのぼります。また、全国農業会議所のアンケート調査(08年8月)によると、農業に参入した法人のうち、経営が黒字なのは11%にすぎず、63%が赤字です。

 日本共産党は、家族経営が農業の担い手の主役だと考えます。多様な形態の家族経営を維持します。小規模農家や兼業農家を排除する「水田・畑作経営所得安定対策」をやめ、農業を続けたい人すべてを応援します。同時に、大規模農家や生産組織などが果たす役割も重視して、支援を強めます。

 後継者を含む新規就農者には、「月15万円を3年間」補助する「新規就農者支援制度」を創設し、新規就農者の研修や技術指導、農地、機械、資材の確保への支援策を強めます。

工業品輸出の犠牲 自公農政終わりに

 農業を守る上で、関税などの国境措置と国内での支援を組み合わせて実施することは、欧米でも行われている当然の施策です。財界の要求で、工業製品輸出の見返りに農産物市場を差し出し、国内農業をつぶす自公政府の農政は終わらせなければなりません。また、農産物輸入の全面自由化を前提に、農家への打撃を戸別所得補償で補う民主党の政策でも、農業は再生しません。日本共産党は、国の基幹産業として農業を発展させます。


 FTAとEPA FTA(自由貿易協定)は、貿易で特定の国・地域を対象に関税の削減・撤廃などで優遇するしくみをつくる協定です。EPA(経済連携協定)は、FTAに加え、さらに投資の自由化、経済取引の円滑化、協力の促進など、幅広い分野を含む協定です。



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