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2009年8月13日(木)「しんぶん赤旗」

“核で自らを守るという考えは幻想”

オバマ米大統領のモスクワ講演

(抜粋)


 日本共産党の志位和夫委員長は3日の09年原水爆禁止世界大会国際会議で行ったあいさつで、核兵器で自らを守るという考えは「幻想にすぎない」というオバマ米大統領のモスクワでの講演(7月7日)に言及しました。講演の関連部分を抜粋で紹介します。


 2009年において、大国とは他国を支配したり悪者扱いして、力を誇示するものではありません。帝国が主権国家をチェスの駒のように扱うことのできる時代は終わりました。一つの国家あるいは一つの集団を他より上に置こうとする世界秩序は、必ず失敗します。

 私は、この世紀を決定付ける根本的な課題に関して、米国民とロシア国民には、協力の基盤となる共通の利害があると信じています。

 第一に、米国の国益は、核兵器の拡散を止め、核兵器の使用を防止することにあります。

 これが、21世紀における核問題の中心的な課題です。核兵器を保有することによって国の威信が生まれる、あるいは、核兵器を保有できる国を選別することによって自らを守ることができるという考えは、幻想にすぎません。冷戦が終結してからの短い期間に、既にインド、パキスタン、そして北朝鮮が核実験を行いました。根本的な変化がない場合、今後20年間に核兵器がさらに拡散することはない、と心から信じることのできる人はいるでしょうか。

 米国が核拡散の阻止と、究極的には核兵器のない世界の追求に力を尽くしているのは、そのためです。これは、世界の二大核保有国としての私たちの責任です。この目標を追求することによって、核兵器の拡散と最終的な使用を防止するための法的、道義的な基盤を築くことができます。

 私たちが自らの責任を果たす一方で、他国にもその責任を果たしてもらわなければなりません。米国もロシアも、東アジアあるいは中東における核兵器開発競争から利益を得ることはありません。だからこそ、私たちは、核保有国になろうとする北朝鮮の活動に反対し、核兵器を入手しようとするイランの活動に反対するために、力を合わせなければなりません。

 これは特定の国家を名指しで非難するものではなく、あらゆる国家の責任に関することです。私たちが団結できなければ、核不拡散条約(NPT)と国連安全保障理事会の信頼性が失われ、国際法に代わって弱肉強食の世界の法則が支配するようになります。これは誰の利益にもなりません。規則は拘束力を持たなければならず、違反は罰せられなければならず、言葉は意味のあるものでなければなりません。



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