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2009年8月5日(水)「しんぶん赤旗」

志位委員長、国連総会議長と会談

核兵器廃絶への協力で一致


 日本共産党の志位和夫委員長は4日、来日中のミゲル・デスコト第63回国連総会議長と都内で会談し、テーマは国際政治経済から中南米の変革にまでおよびましたが、そのなかで両者は、核兵器廃絶に向けた協力で一致しました。


核兵器廃絶の歴史的好機を生かす

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(写真)あいさつを交わすミゲル・デスコト国連総会議長(左)と、志位和夫委員長(右)。中央はサウル・アラナ駐日ニカラグア大使=4日、都内のホテル

 志位氏は、核兵器廃絶の課題に関連して、デスコト議長が核兵器廃絶のために言葉だけでなく行動を呼びかけていること、広島・長崎への原爆投下は「人類史上の悲劇」であり二度と繰り返されてはならないと言明していること、国連総会議長として初めて広島、長崎の平和記念式典に出席することについて、心からの歓迎の気持ちをのべるとともに、この行動が被爆国・日本の国民と被爆者への大きな激励になるとのべました。

 デスコト議長は、訪日の目的が広島、長崎への訪問にあるとのべるとともに、広島に原爆を投下した爆撃機「エノラ・ゲイ」の機長は自分と同じカトリック信者であったことにもふれ、軍の命令とはいえ、キリストの教えに反するものだと語りました。

 志位氏は、人類的課題である核兵器廃絶の実現のためには、核廃絶そのものを主題とする国際交渉をすみやかに開始することが肝心であり、そのための協力を願っていると語りました。

 これにたいしデスコト議長は、自らの任期が9月15日までと限られているが、核兵器廃絶の課題は自分の就任演説でもふれた重要な課題であり、任期中も、その後も、そのために協力していきたいと述べました。

 さらにデスコト議長は、志位委員長が核兵器廃絶のための国際交渉を直ちに開始するよう要請したオバマ大統領あての書簡について、「自分もすでに読みましたが、あなたの見解に賛成です」と語り、何よりも世論の高揚こそが重要であり、この歴史的好機を生かそうと強調しました。志位氏は、これに同意し、「核兵器廃絶への協力で一致できたことはうれしいことです」と語りました。

「G192」の時代の扉を開く

 志位氏は、デスコト議長の提起で、国連の全加盟国によるG192世界経済危機サミットが6月に開催されたことの意義を強調し、世界経済のあり方を決めるのはG7でも、G8でも、G20でもなく、国連のすべての加盟国――「G192」であり、世界経済危機サミットの開催をそうした新しい時代の扉を開く第一歩の道理ある方向として歓迎していると、議長の貢献をたたえました。志位氏はまた、デスコト議長が「G192」を提起したことの重要性を今年の「新春党旗開き」で紹介したと、英文著作の該当部分を示しながらのべました。

 デスコト議長は、途上国が経済危機の影響をもっとも大きく受けていることなどをふまえ、世界の政治と経済は、今日では「G192」で対処しなければいけないと考えたとのべるとともに、命名のエピソードについて語りました。

 志位氏は、「あなたはカトリックの神父(パドレ)ですが、この言葉の生みの親(パドレ)ですね」と応じました。

資本主義をのりこえ進む中南米

 話題は中南米に広がる変革の波におよび、デスコト議長は、中南米は「史上もっとも素晴らしい時代を迎えている」と発言。中南米の自主的な統合を主張したシモン・ボリバルやサンディノの夢がいまでは遠い夢ではなくなっており、資本主義でない道を進もうとする国が現れるなど、急速な変化が進んでいると紹介しました。

 志位氏は、中南米で資本主義をのりこえた社会をめざす試みが進んでいることに注目し、その前進を願っているとのべるとともに、この方向は大局的には日本共産党が目指す社会と重なりあっていると応じました。

 デスコト議長は、キューバのフィデル・カストロ前議長と最近会ったことにふれ、元気に活動しており、彼の考えや文章は依然としてわれわれに励ましを与えるものだと語りました。

 会談には、日本共産党の緒方靖夫副委員長、神田米造国際局次長、デスコト氏の出身国であるニカラグアのサウル・アラナ駐日大使らが同席しました。



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