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2009年7月29日(水)「しんぶん赤旗」

日本共産党の総選挙政策

くらし守る「ルールある経済社会」
9条生かし自主・自立の平和外交


 日本共産党の総選挙政策は、自公政権を終わらせる“審判”をくだし、それに代わる新しい政治の進路を示す内容となっています。「国民が主人公」の新しい日本をめざす総選挙政策の中身は―。


破壊ストツプ 三つの施策

雇用

 大企業が先頭にたってすすめる雇用破壊。昨年10月〜今年9月までに失職する非正規労働者は、厚労省調査でも22万3000人、リストラの波は正社員にも広がっています。この問題をどう解決するか。日本共産党は次の政策をすすめます。

 大企業に雇用への社会的責任を果たさせ、無法な「非正規切り」やリストラ、雇用破壊をやめさせます 大企業は「赤字経営」といっても内部留保が全体で230兆円にのぼり、体力は十分にあります。労働行政が監督・勧告・指導などあらゆる手段で雇用を守るとともに、財界・大企業の経営者を国会に呼ぶなど国政調査権を発動させます。

 失業者への生活援助を抜本的に強化します 雇用保険特別会計の積立金(6兆円)を活用し、失業給付期間の延長、給付水準の引き上げなど雇用保険の拡充や、失業給付を受けられない失業者などへの支援をすすめます。

 新しい雇用の創出と再就職支援に取り組みます 介護、医療、保育など社会保障分野を充実させ、自然エネルギーをはじめとした環境でも新規雇用を創出します。ドイツの実績に照らせば、自然エネルギーの導入で日本でも年間約6万人の雇用が増やせます。

 人間らしい労働のルールをつくるために、登録型派遣の原則禁止など労働者派遣法の抜本改正、過労死の根絶、最低賃金の時給1000円以上の引き上げにも取り組みます。

図

医療 窓口負担ゼロめざす

社会保障

 もともと貧弱なうえ、自公政権が社会保障費を毎年2200億円削減してきたために、社会的弱者が制度から排除され、貧困に追い打ちをかける異常事態が起きています。この削減路線を撤回し、拡充へと大きく転換することが急務です。

 日本共産党は、憲法25条の生存権を保障し、誰もが必要な給付を受けられる社会、負担軽減と不安解消を進めます。

 後期高齢者医療制度は廃止します 世界にも例がない差別医療制度は廃止します。

 “窓口負担ゼロ”をめざし、第一歩として、子どもと高齢者医療費をゼロにします 医療費の窓口負担が3割もとられるという国は、先進国では日本だけ。多くの国は、窓口負担ゼロか、少額の定額制です。この“国際標準”に向かって日本の医療費をたてなおします。必要な予算は、75歳以上が1兆円、子どもが1500億円です。

 国保料を一人あたり1万円引き下げ、国保証とりあげをやめさせます

 安心してかかれる医療体制を確立します

 OECD(経済協力開発機構)加盟国で最低レベルの医師数を平均並みにします。そのために、医学部入学定員を1・5倍化し、看護師200万人体制を確立します。

 年金、介護、障害者福祉、生活保護でも抜本的見直しを進めます。

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保育から高校 総合支援

子育て

 “子育てがしにくい”という日本社会のあり方を変え、仕事と子育ての両立、経済的負担の軽減、「子どもの貧困」の解決など総合的な取り組みを進めます。

 保育制度の改悪中止、“待機児童をゼロに” 保育所に入れない待機児童は4万人。待機児童ゼロを目標に、国が計画を作り、認可保育所を整備していきます。市場化を持ち込む制度改悪を中止させます。

 児童手当を現行の2倍に 児童手当は18歳までの支援をめざします。扶養控除、配偶者控除の廃止など、「サラリーマン増税」との“抱き合わせ”は行いません。

 教育費の負担軽減、高校授業料の無償化を 自公政権のもとで、貧困と格差が広がり、高すぎる学費のために高校や大学を中退せざるを得ない若者が急増しています。

 OECD加盟30カ国のうち高校に授業料があるのは日本など4カ国だけです。日本共産党は高校の授業料を無償化します。

 返済不要の給付制奨学金を創設します。

 生活保護の母子加算復活、就学援助、児童扶養手当の拡充を進めます。

「聖域」にメス入れ12兆円

財源

 どの政党も「歳出のムダをなくす」などといいますが、本当にそれを実行するというなら「軍事費」と「大企業・大資産家の優遇税制」という、二つの「聖域」に切り込むことが必要です。

 日本共産党は、税金のムダづかいをなくすことと、大企業・大資産家へのゆきすぎた減税を見直すことで財源を生みだし、それを社会保障充実など国民のくらしと権利の向上に回します。

 軍事費や大型公共事業など歳出のムダを削減すれば5兆円以上、この間の大企業や大資産家へのゆきすぎた減税を元に戻すことや証券優遇税制の廃止などの税制改革を実行すれば7兆円以上、あわせて12兆円以上の財源を生みだすことができます。

 自公政権は「福祉のため」といって11年度までの消費税増税を主張していますが、こうした改革を実行すれば消費税増税は必要ありません。

 日本共産党は、貧しい人ほど負担が大きくなる消費税増税に反対し、食料品非課税など消費税の減税に踏み切ります。

名実ともに「非核日本」

核廃絶

 世界は、米国が軍事力によって世界の問題を“解決”する「一国覇権主義」の時代から、国連憲章に基づく新しい世界秩序の時代へと大きく変わりつつあります。日本共産党は、憲法9条を生かし、世界の前向きの変化を促進し、世界とアジアの平和に貢献する日本をめざします。

 なかでも、地球上から核兵器をなくすために積極的な役割を果たします。米国のオバマ大統領が「核兵器のない世界」の追求を国家目標にすると演説するなど、人類の悲願である「核のない世界」をめぐっても世界で劇的な変化が起こりつつあります。日本共産党の志位和夫委員長は、同大統領が核兵器廃絶の国際交渉でイニシアチブを発揮するよう求める書簡を送付。米国政府から、書簡への感謝を表明する返書が届けられました。この問題で帰すうを決するのは世界の諸国民の世論とたたかいです。日本共産党は、戦後一貫して核兵器廃絶のためにたたかい続け、綱領にもその課題を明記した党として、地球上から核兵器をなくすために積極的な役割を果たします。

 日米両政府が結んだ「密約」のもと戦後一貫して核兵器が持ち込まれ続けてきたことが、元外務次官4人の証言からも明らかになっています。日本共産党は、政府に核密約を公開・廃棄させ、今後いかなる形であれ一時乗り入れを認めない態度を明らかにすることを求めます。

 この問題で、「非核三原則」(つくらず、もたず、もちこませず)を見直せとの動きが強まっていることは見逃せません。日本共産党は「非核三原則」を骨抜きにする策動を許さず、名実ともに「非核の日本」を実現するために全力をあげます。

政官財の ゆ着断ち切る

行政改革

 いまの行政のゆがみの最大の原因は政官財のゆ着です。日本共産党は、このゆ着を断ち切り、「財界・大企業いいなり」「日米軍事同盟最優先」に奉仕するものにねじ曲げる行政を公正で清潔なものに変えます。

 一つは、“審議会”政治をあらためることです。各省庁の審議会や調査会・研究会などに、財界・大企業の役職者が名を連ねて政策決定に影響力を持ち、財界・大企業中心主義の典型的な発信地となっている現状をあらためます。

 二つめは、ゆ着の温床となる高級官僚の天下りを禁止し、企業・団体献金を即時・無条件に禁止する法的措置を講じることです。

 公務員が真に「全体の奉仕者」として業務に従事できる体制を確立するため公務員制度を民主的なものにあらため、行政情報を国民に明らかにするシステムを確立します。

財源を保障し自治応援

地方分権

 自公政権は、この間「地方分権」といいながら、「三位一体改革」による地方財源の大幅削減と、市町村合併を押し付けてきました。いま「分権」というなら、こうした地方切り捨てをやめ、財源を保障して地方自治を応援することが必要です。

 日本共産党は、福祉や教育などへの国庫負担金・補助金の廃止・縮減に反対し、その改善・充実を求めます。地方交付税の復元・増額で本来の財源保障・調整機能を回復・強化します。

 国の直轄事業負担金制度は“必要な事業は国の責任と負担でおこなう”方向で見直します。国が維持管理費などの負担を地方に押しつけることは、ただちにやめます。

 日本共産党は住民の声を行政から遠ざける道州制導入と市町村再編のさらなる押し付けに反対し、住民と自治体による地域振興の取り組みを応援します。



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