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2009年7月27日(月)「しんぶん赤旗」

対話の糸口 探る米朝

非核化へ依然立場に違い


 東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)を前後して、米国と北朝鮮が相次いで対話再開の意欲を表明しました。米国は新たな「包括的措置」を提案。北朝鮮はひとまず提案を拒否する一方で、対話の用意があると言明しました。非核化をめぐる立場の違いは依然として深いものの、双方は対話再開の糸口を探り始めています。(面川誠)


 クリントン米国務長官は22日、タイ・プーケットでARF開催を前にロシア、日本、韓国、中国の外相と相次いで会談しました。その直後の記者会見で北朝鮮に提案したのが、米朝双方の要求を一挙に解決することをめざす「包括的措置(パッケージ)」。事前に取りざたされた北朝鮮を除く5カ国協議の代わりに、5カ国の総意として「包括的措置」を提案する形を取りました。

完全実施求める

 内容は、北朝鮮が完全な非核化を実施する場合、▽米朝などの国交正常化▽平和協定の締結▽大規模な経済・エネルギー支援の実施―に踏み切るというもので、北朝鮮の安全保障も満たすというのが米国の立場です。

 これに対し、23日にはARFに参加した北朝鮮代表団の李興植(リ・フンシク)外務省国際機構局長が、24日にはニューヨークの申善虎(シン・ソンホ)国連大使が相次いで米朝対話の用意を表明しました。

 特に、申大使は異例の記者会見を開いて発言しており、北朝鮮の強い対外的メッセージと受け止められています。すでにニューヨークでは、北朝鮮で投獄中の米国人記者2人の釈放問題をめぐる非公式の米朝接触が続いており、公式対話につながるか注目されています。

 韓国・ソウルの政府系シンクタンクの研究員は「2月と3月に北朝鮮は、米国のボズワース北朝鮮政策担当特別代表の訪朝を拒否した。まだオバマ政権が具体的な提案を持っていなかったからだ。今回は状況が違う」と述べ、対話再開の可能性を展望します。

米国の「核の傘」

 ただ、米国が考える北朝鮮の安全保障と、北朝鮮が求める安全保障には、依然として大きな隔たりがあります。

 李局長はプーケットでの記者会見で、核開発の理由として「米国の対朝鮮敵対政策」を挙げ、「韓国と日本にぼう大な(米軍の)武力と最新鋭兵器が存在する限り、解決されない」と主張しました。

 前出の研究員は「北朝鮮が問題にしているのは、米国が韓国と日本に提供している『核の傘』だ。これがある限り、北東アジアで北朝鮮だけが非核化を強要されると考えている。『包括的措置』について北朝鮮と本格的な交渉に入れば、日本と韓国も決断を迫られるかもしれない」と指摘します。



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