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2009年7月16日(木)「しんぶん赤旗」

助成金返納逃れ41億

態度が問われる公明


 320億円もの国民の血税を政党が山分けする政党助成金をめぐり、公明党の態度が問われています。自民党とともに今国会に提出した政党助成法改定案(衆院政治倫理公選法特別委員会で8日に可決)が、自らにはね返ってきているのです。

 改定案は、政党が合併などで解散する場合、政治団体に助成金を寄付できないようにするもの。2003年に小沢一郎氏(現民主党代表代行)率いる自由党が民主党と合併した際、自由党の助成金の残額が国に返納されず、小沢氏の関連政治団体に引き継がれたことを批判する狙いがあります。

 改定案はまた、返納逃れの助成金を過去に受け取った政党の後援団体などが、その助成金を国に返納できるようにすることも定めています。

 衆院特別委での質疑で自民党とともに法案提出者となった公明党の大口善徳議員は、厳しい財政状況や税金のムダづかいに対する国民の批判をあげ、「脱法行為といわざるを得ない寄付を過去に受け取った者のなかには、政治家の良心に基づき、遅ればせながら国庫に返納したいと考える方もいると思う」と説明しました。返納逃れを脱法行為と非難し、民主党に助成金の返納を求めたのです。

 ところが、公明党の佐藤茂樹議員がこれまでの返納逃れ事例をただすと、法案提出者の葉梨康弘議員(自民党)は、自由党の事例とともに1997年の新進党解党を例示。「新進党が幾つかの党に分かれ、また民主党と一緒になる。そのとき政党助成金の残額の相当な金額が、ほかの政治団体に移っている例もある」と述べました。

 新進党から分かれた党には、後に民主党に合流した「新党友愛」「国民の声」だけでなく、公明党に合流した「新党平和」や「黎明クラブ」もあります。これらの党は新進党の助成金残高80億円を山分け。「平和」「黎明」は合計41億円を受けとっています。

 それなのに、日本共産党の佐々木憲昭議員が、新進党から「平和」「黎明」に分配された助成金の返納を迫ると、大口氏は「新進党のような場合は政党助成法でも予定されている」と開き直り。あっさりと自らに“政治家の良心”がないことを露呈させた格好です。

 改定案の成立いかんにかかわらず、政党による助成金の返納は自由にできます。“良心”うんぬんを言うのなら、まずは自ら返納逃れの助成金は国に返すこと、なにより憲法違反の政党助成金制度そのものを廃止することが先決ではないでしょうか。(S)



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