2009年7月2日(木)「しんぶん赤旗」

虚偽献金 ナゾだらけ

鳩山民主党代表


 民主党・鳩山由紀夫代表の資金管理団体「友愛政経懇話会」の政治資金収支報告書に故人や献金していない人の名義が使われた問題が波紋を広げています。(「政治とカネ」取材班)


なぜ「個人資産から」

 鳩山氏は、「私の個人資産の普通預金から必要なつど、担当者に引き出させて預けていた」と、虚偽献金の原資について、説明しました。

 これは、納得しかねる言い分です。

 鳩山氏個人は、毎年、自分の資金管理団体「友愛政経懇話会」に多額の献金をしています。98〜04年は各1000万円、05〜07年は各900万円で、総額9700万円にのぼります。

 会計事務担当の秘書に普通預金から引き出させて預けるのではなく、直接、献金すればいい話です。

 しかも、友愛政経懇話会の収支報告書(07年)には、鳩山氏からの借入金として8000万円の記載があります。個人資産を担当秘書に預けたというのなら、なぜ、これまでどおり借入金(貸し付け)として処理しなかったのでしょうか。

秘書の独断と言うが

 鳩山氏側は、虚偽記載について「実務担当秘書の誤った独断により生じた事態」と、すべての責任を秘書に押し付けています。その一方、「秘書を信頼していた」ので収支報告書の詳細を確認していなかったと、自身の関与を否定しています。

 この説明も常識的に考えて納得できません。虚偽記載の原資は、鳩山氏自身の個人口座です。4年間で約2200万円分も不透明に引き出されながら「気づかなかった」というのは説得力がありません。

図


恩師の名まで

前に電話しただけ 頼まれたことない

 鳩山由紀夫民主党代表は6月30日、会見で虚偽献金の事実を認めました。しかし「献金」したとされる人たちからは不信と怒りの声があがっています。

 「一銭も出したことはないのよ。それなのに、調べるたびに額がドンドン増えていって、私の家は360万円を献金したことになっているらしいわ」

 あきれた声でこう話すのは東京都杉並区在住の主婦。会社役員の夫と息子が2005〜07年の3年間で鳩山氏の資金管理団体「友愛政経懇話会」に65万円の“献金”をしていたと収支報告書に記載されていました。

 主婦は「一銭も出しようがない。うちはいつもお金に困っていて、息子は仕送りを受ける身。お金が苦しいの」といいます。

 この主婦によると、海外に留学中だった息子から「帰国したら鳩山氏の話を聞きたい」と頼まれ、鳩山氏の後援会に電話をしたのが唯一の接点だといいます。その時に夫の名前を保護者として、鳩山事務所に伝えたといいます。

 「後援会のはがきが8回くらい自宅に届いて、それで関係はおしまい。会費も払わなかったし、うちで鳩山さんが話題になったのはその時だけ」

 一方、「どこまでが真実で、どこまでがそうでないのか。僕は今回の件をどう読み取ればいいのかなあ」と、悩ましげに話すのは鳩山氏の小学校時代の恩師だった80歳代の男性です。07年に12万円の献金をしたことになっていました。

 「鳩山君は大切な教え子で応援もしているが、献金を頼まれたこともしたことも一度もない」と献金について否定します。

 「秘書が一人でやった」とする鳩山氏の説明について「そういうことあるのかなあ。秘書がそんなことしていいのかなあ。だって、自分が仕える人に連絡もしないで、そんなことやっていいのかなあ。わからんなあ」と話します。



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