2009年6月24日(水)「しんぶん赤旗」

福祉のために消費税の増税は仕方ない?


 〈問い〉麻生・自公政権も民主党も福祉を理由に消費税増税を主張しています。日本共産党はどう考えますか。(東京・一読者)

 〈答え〉日本共産党は消費税増税に絶対反対です。増税よりもむしろ、食品にかかる消費税を非課税にして、庶民の暮らしを支えるべきです。

 自公政権は、税・財政の「中期プログラム」で、「社会保障財源」を口実に、消費税増税を含む税制「改革」の実施を盛り込み、増税法を2011年度までに成立させるとしました。

 民主党は「4年間は上げない」(岡田克也幹事長)というものの、04年の参院選マニフェストで「年金目的消費税」の導入を明記しました。そのために3%の増税を求めるなど、消費税増税を競い合う立場です。

 消費税が導入されて20年。“福祉のため”などといって導入、増税しながら、この間、福祉・社会保障制度は改悪の一途をたどってきました。消費税収は大企業の法人税減税の穴埋めに充てられてきたのです。政府は今後も「社会保障費抑制路線」を堅持するといっています。「社会保障財源に消費税を充てる」という言葉の裏には、“社会保障の充実を求めるなら消費税の大幅増税を甘受せよ”という本音が透けて見えます。

 消費税は、衣食住など生活必需品のほとんどにかかるため、収入の少ない人ほど負担が重くなる税金です。貧困化を促進し、格差拡大を助長する税金であり、福祉・社会保障の財源として最もふさわしくありません。

 経済協力開発機構(OECD)の昨年10月のリポートは、消費課税によってその国の格差を示す指標(ジニ係数)が大きくなることを明らかにしました。

 消費税増税に頼らないで、社会保障の安定財源を確保する道はあります。不要不急の大型公共事業や5兆円規模の軍事費など予算の無駄遣いを徹底してただすことです。歳入面でも、ゆきすぎた大金持ち・大企業減税を見直し、もうけに応じた税負担をきちんと求めることです。

 こうした改革は、企業献金を受けて財界・大企業の方を向いている自民・公明、民主の各党にはできません。(山)

 〔2009・6・24(水)〕


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