2009年6月21日(日)「しんぶん赤旗」

児童虐待防止法10年に向けシンポ

子どもを支える社会に


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(写真)虐待を受けていた当事者や虐待防止のとりくみをすすめてきた大学教授、弁護士らが話し合いました=20日、東京都千代田区

 虐待された子どもを支えようと、児童虐待防止シンポジウムが20日、東京都千代田区内で開かれ、330人が参加しました。

 2000年に制定・施行された児童虐待防止法の10年に向けて課題を考えるもので、NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク、財団法人こども未来財団が主催しました。

 才村純関西学院大学教授は、児童虐待防止法の目的が児童の権利・利益を守ることにあること、国・自治体の責務を明示していることの意義を話しました。法改正や施策立案に当事者である子どもが参加すること、児童相談所や市町村窓口の体制強化と専門性の向上の必要性をのべました。

 坪井節子弁護士(社会福祉法人カリヨン子どもセンター理事長)は、子どもに「生まれてきてよかった。一人ぼっちじゃない」と命の大切さと愛される喜びを感じてもらうために活動してきた、と話しました。

 松本伊智朗札幌学院大学教授は、家族の中で経済的困難、病気などの不利益が蓄積して“貧困”となり、子ども虐待の一因となっていることをのべました。

 虐待などで、生まれた家庭で生活できない子どもを社会が育てる=社会的養護の当事者を支える活動に携わっている佐野優さんと渡井さゆりさんは、子どもが自立しおとなになっていくことを保障する施策の必要性、子どもの視点の反映が大切、と話しました。


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