2009年6月21日(日)「しんぶん赤旗」
秋に立法案提示へ
EUの金融監督機構
【ロンドン=小玉純一】ブリュッセルで開かれた欧州連合(EU)首脳会議は19日、欧州の金融制度を破たんから守り、金融危機を再発させないため、新しい金融監督機構を創設することで合意しました。EUの行政機関・欧州委員会が秋にも立法案を提示し具体化を図ります。
合意した機構は「欧州システミックリスク委員会(ESRB)」と「欧州監督制度(ESFS)」。ESRBは金融破たんに対し、必要な場合に警告を発して対策を勧告。議長は欧州中央銀行の一般委員会から選ばれます。
ESFSは、三つの新しい監督機関で構成。国境を越えて活動する金融機関の監督を強め、単一市場におけるすべての金融機関に適用する単一ルールを確立し、国家による監督の質と一貫性の向上をめざします。
首脳会議は、欧州最大の金融センターの「シティー」を抱える英国の懸念に配慮し、「欧州の監督機関が加盟国の財政責任に影響を及ぼす決定をすべきでない」と確約。銀行救済の強要などを排除しました。

