2009年6月18日(木)「しんぶん赤旗」

「西松」問題 二階派不起訴不当

資金の依頼は秘書なのに

「知らぬ」で済むか


 「強い政治不信が見られるという政治状況をふまえ、さらに踏み込んだ捜査が期待される」―。東京第3検察審査会が17日までに、不起訴不当の議決をした自民党二階派の政治団体「新しい波」(代表・二階俊博経産相)関係者への東京地検特捜部の不起訴処分。準大手ゼネコン「西松建設」のダミー(隠れみの)団体からのパーティー券代838万円の受領など、二階氏側への西松マネーは、見過ごすことのできない問題です。


 パーティー券を購入してもらった問題について二階氏は、日本共産党の小池晃政策委員長や井上哲士参院議員の追及に対して、「存じ上げないものは、存じ上げない」(3月6日、参院予算委員会)、「正確に届け出ている」(5月29日、同)などと開き直っていました。

 ところが今月1日、二階派の会計責任者だった泉信也参院議員(二階派事務総長)らの不起訴を決めた特捜部は、二階氏の秘書が西松建設にパーティー券を売りさばくよう依頼した事実を明らかにしたのです。そのうえで、二階派事務担当者は同社との接触がなく「同社からの献金との認識があったとは認められない」と説明しました。

 ダミー政治団体経由のパーティー券を二階氏の秘書が、同社に直接交渉して売りつける―。その事実を会計責任者の泉氏らが知らないというのはあまりにも不自然です。検察審査会が不起訴不当として再捜査を求めたのは、市民の良識の声です。

 さらに重大なのは、国会の場で「存じ上げない」と断言した二階氏自身の責任です。二階氏と西松建設は「わが社が一番世話になっている先生の一人」(西松建設元幹部)と指摘される親密な関係です。その意を受けて動く秘書が同社に資金提供を求めたことを二階氏は、どう説明するのでしょう。

 二階氏をめぐっては、同氏が代表の自民党和歌山県第3選挙区支部に、西松社員や家族名義で計600万円の献金が行われていた問題など、数々の疑惑が未解明のままです。

 さらに、海洋ゼネコンでつくる政治団体「さんそう会」から計4000万円もの献金を受けていたことも本紙が明らかにしました。

 検察は、民主党の小沢一郎前代表側と同様に、二階氏側の疑惑も徹底捜査することが求められています。(森近茂樹)



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