2009年6月16日(火)「しんぶん赤旗」

ムサビ派数万人集会

イラン 大統領選結果に反発

現職派は勝利主張


 【テヘラン=松本眞志】イランの首都テヘランで15日、政府側の大統領選での現職アハマディネジャド氏勝利発表に抗議する改革派ムサビ氏支持者の集会が政府の禁止命令にもかかわらず、首都テヘラン中心部で開かれました。集会は数万人が参加、ハタミ前大統領が演説、ムサビ氏には平和的に抗議を行う権利があると訴えました。


 大統領選挙結果をめぐっては13、14の両日、各所でムサビ氏支持者数千人と治安部隊、現大統領支持者が衝突し、逮捕者や負傷者が出る事態となり、これまでに170人以上の逮捕者が確認されています。

 選挙前の世論調査では、都市部でムサビ氏がアハマディネジャド大統領をリード。ところが内務省が13日に発表した開票結果は、アハマディネジャド氏の得票率63%に対してムサビ氏33%でした。予想に反した結果に、ムサビ氏支持派は投開票作業に不正があったと主張しています。

 ムサビ氏も開票後、同氏の立会人が排除された問題など広範囲に及ぶ不正があったことを指摘。内務省に事実の公表を要求し、問題解決を求める書簡を最高指導者のハメネイ師に手渡しました。これに対し、ハメネイ氏は15日、再調査を命令しました。

 ハメネイ師は、これまで、ムサビ氏に対し、選挙結果を尊重してアハマディネジャド氏再選を支持するよう回答。内務省も訴えを退け、同氏を自宅軟禁下に置いています。

 一方、アハマディネジャド氏は14日の勝利集会で、集まった数万人の市民を前に「選挙結果はクリーンで健全だ」と主張しています。

 ムサビ氏支持派は街頭で抗議行動を繰り広げ、大統領支持者との衝突も起き、道端でお互いが相手を非難しあうなどの光景もみられました。当局は抗議行動への対応として機動隊やヘリコプターを動員し、催涙弾も使用しました。


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