2009年6月13日(土)「しんぶん赤旗」

主張

国連安保理決議

北朝鮮は国際世論に従え


 国連安全保障理事会が、先月25日に2度目の核実験を強行した北朝鮮を強く非難し、制裁を強化した決議を採択します。この決議は外交的努力を通じて解決することを明確にした、国際社会の対応として「道理ある冷静な内容」(日本共産党の志位和夫委員長)です。

 北朝鮮は国際社会の世論を重く受け止めて、核実験をはじめ弾道ミサイル発射などのさらなる挑発行為を停止すべきです。6カ国協議にただちに無条件で復帰し、朝鮮半島の非核化を進め、平和的に問題を解決すべきです。

一致結束した対応

 日本共産党は北朝鮮の核実験に厳しく抗議するとともに、国際社会が一致結束して北朝鮮の核問題を外交的に解決する最も効果的な措置をとるよう求めてきました。

 北朝鮮による先月の核実験は、2006年の1度目の核実験直後に安保理が採択した非難決議(決議1718)に明白に違反したものです。

 今回の決議が、北朝鮮が安保理決議を「あからさまに無視」したことを強く非難し、今後、核実験やミサイル発射を行わないことを要求しているのは当然です。すべての核兵器計画を放棄し、核不拡散条約(NPT)に復帰して国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れるよう迫っています。

 同時に決議は加盟国に対し、北朝鮮への武器などの禁輸と船舶の貨物検査、新規融資の停止などの制裁措置を呼びかけています。

 決議が「国連憲章第7章第41条」にもとづく非軍事措置であると明記したことは、きわめて重要です。国際社会が北朝鮮の挑発に対して冷静に、非軍事的・外交的措置で対応することを改めて明らかにしたものです。

 安保理決議案の原案作成には米国とともに日本も携わりました。その当初案は国連憲章「第7章」にもとづくというだけで、「第41条」にもとづくとの記述はありませんでした。決議1718が「第41条」を明記していたのに対して、当初決議案は「臨検」などで非軍事措置の枠を外そうとしたものと受け止められました。

 安保理常任理事国5カ国に日本、韓国が加わった7カ国の粘り強い協議で「41条」が明記されたのは、軍事的措置によらず北朝鮮の問題を解決するという国際社会の意思を示したものです。

 軍事的対応は情勢を悪化させるものでしかなく、国際社会の一致した対応を妨げるものです。仮に決議が各国に要請している貨物検査が行われる場合にも、軍事的対応の引き金にならないようにしなければなりません。

6カ国協議に復帰を

 北東アジアで軍事的緊張が高まることは、なんとしても避けなければなりません。決議が指摘するように、北朝鮮は自らの行動が国際社会の平和と安全に対する「明確な脅威」であることを認識すべきです。北朝鮮にとっても域内の平和と安定こそ自国の安全を確保する唯一の道です。

 6カ国協議は、朝鮮半島の非核化の達成だけでなく、北東アジアの平和と安定をもたらす枠組みとして発展しうる可能性をもっています。協議への復帰は北朝鮮にとっても利益になるものです。国際社会にはこの枠組みに北朝鮮を復帰させるため、今後も粘り強い努力が求められます。



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