2009年6月12日(金)「しんぶん赤旗」

温室ガス 日本の削減目標

世界の目厳しく

落第 ■ 低すぎる ■ 真剣に


 【ボン=小玉純一】麻生首相が10日に発表した温室効果ガス排出削減の日本の2020年までの目標について、ボンで開催中の国連気候変動枠組み条約特別作業部会に参加している各国政府代表らは厳しい目をむけています。

 バングラデシュ政府参加者は11日、05年比で15%という日本政府の目標について、「1990年比8%削減だ。非政府組織(NGO)が落第といっている通りだと思う。温暖化が進むと私の国の海岸の水面は上昇するし農業にも悪影響が出る。日本の政府には削減のイニシアチブをとってほしかった」といいます。

 タンザニアの参加者も「8%減。知っています。低すぎる」と批判しました。

 中国の于慶泰・気候変動問題担当大使は「日本がとる必要のある行動、とるべき行動に近いものとは思えない」「気候変動とたたかう国際協力へ公平に貢献するために何をする必要があるのか、真剣に検討すべきだ」と語りました。

 欧州の参加者は「きのう(10日)は日本批判が目立った。とくにNGOの批判は厳しい。ぜんぜん野心的でなかったから」といいます。

 【北京=山田俊英】中国外務省の秦剛報道官は11日の定例記者会見で、日本政府が発表した2020年までの温室効果ガス削減目標について「京都議定書の削減義務より2%増えただけだ」と指摘、「気候変動問題の緊急性や国際社会の期待とは距離がある」と語り、不十分だと批判しました。

 また、京都議定書の目標期限後、13年以降について「先進国は20年までに90年比で40%以上削減すべきだ」と強調。同時に、途上国の排出削減のため先進国に技術移転や資金協力を求めました。



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