2009年6月9日(火)「しんぶん赤旗」

マリコン政治団体「さんそう会」

歴代会計責任者は旧運輸省OB

官・業一体 族議員を支援


 海洋ゼネコン(マリコン)関係者でつくるダミー(隠れみの)政治団体「さんそう会」が自民党運輸族に多額の献金をしている問題で、同会の歴代会計責任者にはマリコン業界と関係が深い旧運輸省港湾局OBが就任していることが8日、関係者の証言などでわかりました。同会の歴代代表はマリコン企業役員経験者が就任しており、官と業一体で運輸族議員を支援する実態が明らかになりました。


 本紙が情報公開で入手した資料では、「さんそう会」(旧港栄会)は1976年に設立。これまで会計責任者には5人が就任しています。そのうち直近の3人は、旧運輸省(現国土交通省)港湾局の職員だったことが判明しました。

 「さんそう会」関係者によると、現在の会計責任者が、同省の第2港湾建設局八戸工事事務所の元課長でした。その前任者は港湾局の出先機関で地方に置かれている港湾建設局の元次長。さらにその前の会計責任者も港湾建設局次長でした。

 国土交通省(旧運輸省)港湾局は、港湾建設の計画作りや工事を発注する側です。

 一方、「さんそう会」の代表には東亜建設工業(東京都千代田区)や五洋建設(同文京区)の幹部が就任。国交省から公共工事を発注される側にあります。

 運輸族議員への不適切な献金を国交省関係者とマリコン業界が一体となっておこなっていたわけで、「政官業」の重大な癒着関係が問われます。

 「さんそう会」は、2000年〜07年の8年間だけでも総額2億8300万円の政治献金をおこなっています。そのうち、二階俊博経産相の派閥「新しい波」に計4000万円、泉信也元国家公安委員長(参院議員)に計5150万円、渡辺具能元国交副大臣(衆院議員)に8500万円を献金しています。

 元会計責任者だった旧運輸省OBは本紙の取材に「何も話すことはない」と取材を拒否しました。



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