2009年6月7日(日)「しんぶん赤旗」

海洋酸性化を警告

サンゴ礁崩壊//食料生産に影響

世界の科学アカデミー


 英王立協会や日本学術会議など世界70カ国・地域の科学アカデミーはこのほど、共同声明を発表し、海洋の酸性化は世界で最も重要な気候変動の課題であり、12月にコペンハーゲンで開催される気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)の議題からこの問題が抜け落ちていると警告しました。

 声明は、海洋酸性化で、サンゴ礁の大規模な崩壊や海洋の生態系に劇的な変化が起こり、食料生産や人類の生活に重大な影響を与える恐れがあると強調しています。

 英王立協会のマーティン・リーズ会長は、「海洋酸性化はこれまで関心が払われてこなかった」と指摘。「CO2の排出を2050年までに1990年レベルの少なくとも50%にまで減らし、その後さらに削減しないと、海洋生態系の構成に回復不可能な変化が起こり、われわれは水面下での破局に直面することになる」と警告しました。

 声明によると、産業革命以降の200年間に、人間の活動で排出されたCO2の約4分の1が海洋に吸収され、海洋表面の水素イオン指数(pH)はこの間0・1低下、酸性化が進みました。

 その結果、サンゴ礁の骨格などの元になる海水中の炭酸カルシウムなどの溶融ミネラルが減少、過去80万年で最低のレベルに落ち込み、生態系に影響を与えています。(夏目雅至)



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