2009年6月4日(木)「しんぶん赤旗」

直接雇用 青年ら勝利

労組入り団交・労働局申告

「派遣切り」覆す

愛知 東海ゴムなどの8人


 自動車用防振ゴム・ホース製造で国内トップシェアを誇る東海ゴム工業(本社・愛知県小牧市、東証一部上場)とその子会社で「派遣切り」された青年労働者らがこのほど、派遣先に直接雇用を勝ち取りました。いずれも有期雇用ですが、労働組合に加入し、団体交渉や労働局申告などを力に実現した成果です。労働者は引き続き正社員化を求めていきます。


 東海ゴムから1月末に中途解雇された男性(27)は、契約期間が4月末までありました。「派遣切り等なんでも相談を」と書かれたチラシをみて名古屋北部青年ユニオン(全労連・全国一般労働組合愛知地方本部加盟)に相談し、中途解雇は違法だと知りました。

 最大3年の期間制限を超えて派遣を受け入れており、ユニオンに加入し、愛知労働局に直接雇用の指導を求めて申告。派遣元と5月末の団体交渉で、派遣先の採用試験を受ける形で直接雇用(3カ月ごとに契約更新。最長2年11カ月)されることになりました。

 同社100%出資の子会社、TRIメテックス(小牧市)では、7人の労働者が直接雇用されます。JMIU(金属情報機器労働組合)愛知支部と、名古屋北部青年ユニオンとの団体交渉で2日、社長が表明しました。

 社長は、愛知労働局から是正指導と「雇用の機会を提供するように」との助言を受けて直接雇用すると表明。6カ月契約で最大1年の有期雇用ながら、「1年後に生産量があれば切ることはない」とのべました。

 同社では派遣社員6人がJMIU支部に、1人が青年ユニオンに加入。3年10カ月から最大18年も派遣されながら中途解約や雇い止めされ、団体交渉や労働局申告で直接雇用を求めてきました。

 同社では、3月末で雇い止めにされた期間社員のJMIU組合員も雇用継続・正社員化を求めています。

 北部青年ユニオンの男性(27)は、派遣期間は1年ですが、違法な二重派遣だったため直接雇用に。「失業保険が切れる前に決まってよかった。組合の仲間がいたからたたかえた。これからも正社員化をめざしていきたい」と話します。

 全労連全国一般愛知地本の國村忠文書記長は「登録型派遣で直接雇用を勝ち取ったのは画期的。あきらめずに労働局に申告し、交渉を重ねたことが力になったと思います」。JMIU愛知支部の太田広樹組織部長は「派遣切りとたたかう全国の労働者と連帯して、正社員化に向けてさらにたたかいをすすめたい」と話しています。



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