2009年6月3日(水)「しんぶん赤旗」

韓国・ASEAN首脳会議 共同声明

経済・文化で協力促進


 韓国南部の済州島で開かれていた同国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別首脳会議は2日、気候変動や金融危機など地球規模の問題について協議しました。首脳会議は、韓国とASEANの協力関係の強化策などを盛り込んだ共同声明を採択。韓・ASEAN自由貿易協定(FTA)に投資分野を含める協定も締結しました。(中村圭吾)


 共同声明は、過去20年間の韓国とASEANの関係について「相互信頼と尊重を土台に互恵的な協力関係を発展させてきた」と評価。貿易や投資の拡大、文化・人的交流の促進策などを盛り込みました。

 韓国は、民主化後の1989年にASEANとの対話関係を樹立。米ソ冷戦の終結までは消極的な関係に留まっていましたが、90年代後半のアジア経済危機を経て、協力の必要性が高まり、関係を発展させてきました。最近は、経済危機により米市場が急速に縮小する中、東アジアの経済発展を支える重要な場としてASEANの存在感が強まっています。

 首脳会議では、韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が、アジア諸国との関係強化を目指す「新アジア外交」を説明し、ASEAN各国首脳が賛意を表明。韓国側も、2015年の共同体創設を目指すASEAN側の目標に支持を表明しました。

 韓国は、ASEANへの政府開発援助(ODA)を15年までに昨年の2倍の約4億ドルに増額。文化分野では、韓国の「韓国・ASEAN協力基金」を現在の年間300万ドルから500万ドルに引き上げることを確認しました。増額分は文化、人的交流の拡大に集中的に投入するとしています。

 各国首脳は金融危機への対応について、各国が危機の際に外貨を融通しあう「チェンマイ・イニシアチブ」の重要性を再確認。独自の監視機構の創設などを含めた多国間協定化に向けた措置を実施することを確認しました。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp