2009年6月1日(月)「しんぶん赤旗」

京都府学連 新入生歓迎祭典

哲学者・ヘーゲルを引きながら

「科学は自由を拡大する」

ノーベル賞 益川さん学生に講演


 京都府学生自治会連合主催の新入生歓迎祭典が31日、京都市中京区で開かれ、ノーベル物理学賞受賞者の益川敏英氏(京都産業大学教授)が記念講演を行いました。300人が参加しました。

 益川氏は、「なぜ学ぶのか」と提起し、哲学者・ヘーゲルの言葉などを引きながら、「科学は必然性を明らかにし、人間の自由の範囲を拡大する。学問とは、みなさんが自由を獲得していく過程だと思います」と強調。

 科学者らのエピソードを交えながら、基礎科学を身につける大事さ、平和に対する科学者の役割を語った益川氏。「友人同士で『それは違う』と議論することは人間の幅をつくっていくうえで重要。おとなになるとできなくなってくる。議論できるのは若い時代の特権だ」とメッセージを送りました。

 学生の「人生の哲学論は?」との質問に、益川氏は「勉強することを何かに役立てようと考えると狭くなる。どれだけ横道にそれることをやっても時間の無駄ではない。若いあいだは時間が無限にある」と応じました。

 学費や平和、就職難の分科会では、ジャーナリストや大学教員らを講師に迎え、学生が感想を交流しました。

 立命館大学1回生の女子学生(18)は、「貴重な話だった。遊びの精神を持って広い見地で学んでいきたい」と話しました。


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