2009年6月1日(月)「しんぶん赤旗」

シンドラー社死亡事故3年

遺族ら「調査機関を」

シンポ開く


 2006年に東京都港区で発生したシンドラー社のエレベーター死亡事故で亡くなった市川大輔さん(当時16歳)の遺族と当時の高校野球部3年生の保護者でつくる「赤とんぼの会」は31日、東京都内で「安全を考えるシンポジウム」を開きました。

 シンポジウムでは、同事故発生から6月3日で丸3年となるにもかかわらず、事故原因が究明されていないとして、「独立した事故調査機関の設立を求める提言」を採択しました。

 提言は「エレベーター事故など、国民の安全・安心を損なった事故につき、優先的に原因究明を行う制度と独立した事故調査機関を構築するよう、政府、国会など関係機関に強く要望する」とのべています。

 同シンポには約200人が参加し、鉄道事故や医療事故などにとりくむ研究者、弁護士らがパネリストとして、「事故の原因究明なくして、真の再発防止なし」をテーマに、原因究明する事故調査体制を確立する重要性を討論しました。

 扉が開いたままエレベーターが動く事故で亡くなった大輔さんの母親の正子さんは、「なぜ安全装置が働かなかったのか。息子を失った事故究明はこの3年間行われていない」と、行政への怒りやいらだちを訴え、一日も早い事故調査機関の創設を求めました。

 ノンフィクション作家の柳田邦男さんが講演。事故調査より犯罪捜査が優先され、原因究明が後回しになり、再発防止に役立てられてこなかった苦い教訓を生かして、身近なエレベーターや欠陥湯沸かし器など「生活空間型事故」の第三者調査機関が必要だと指摘しました。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp