2009年6月1日(月)「しんぶん赤旗」

熊谷組もダミー献金

自民・加藤氏 民主・小沢氏らに

3団体通じ3000万円


 準大手ゼネコン「熊谷組」(東京都新宿区)が、社員やОBを代表にした三つの政治団体をダミー(隠れみの)にして、自民党の加藤紘一元幹事長や民主党の小沢一郎代表代行ら国会議員の資金管理団体に計3千万円を超す政治献金をしていたことが明らかになっています。東京地検特捜部に政治資金規正法違反容疑で摘発された西松建設同様、ダミー団体を使う手法の横行が浮き彫りになりました。


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(写真)加藤紘一自民党元幹事長の資金管理団体「社会計画研究会」の政治資金収支報告書(1999年)の表紙と一部。「出版記念会」名目のパーティー券購入先として熊谷組関連の3政治団体が…

 献金していたのは、「都市開発研究会」(東京都杉並区)、「京浜建設経済研究会」(神奈川県海老名市)、「北陸経済研究会」(福井市)。いずれも1976年〜81年に設立され、2002年〜03年に解散しています。

 政治資金収支報告書などによると、加藤元幹事長の資金管理団体「社会計画研究会」は、99年10月21日に東京都港区内のホテルで開いた「雲霓(うんげい)の会総会」と「出版記念会」の二つの資金集めパーティーのパーティー券を3団体に150万円ずつ、計900万円分、購入してもらっています。また、98年、99年に各12万円の献金が「都市研」からありました。

 西松建設のダミー政治団体からの献金が突出していた小沢氏の「陸山会」は、都市研から98年に50万円、99年に150万円の計200万円の献金を受け取っています。

 自民党の菅義偉選対副委員長(元総務相)の「横浜政経懇話会」は、96年に都市研から100万円、「京浜研」から50万円の計150万円、高市早苗元内閣府特命担当相の「新時代政策研究会」は97年に都市研から100万円。

 このほか、鈴木俊一元環境相の「清鈴会」、棚橋泰文元国務相の「21世紀を拓く会」がともに99年に都市研から12万円▽渡辺具能元国土交通副大臣の「能政会」が00年に都市研から20万円▽新党大地の鈴木宗男元北海道開発庁長官の「21世紀政策研究会」が98年、99年に都市研から各12万円の計24万円―など。

 問題は、小沢氏の陸山会が98年の50万円を政治団体からの献金ではなく、企業・団体献金として報告していることです。

 鈴木俊一、鈴木宗男、棚橋の各氏も同様で、そのうえ都市研の所在地を杉並区ではなく、熊谷組の本社や北海道支店、名古屋支店としています。

 熊谷組の献金については、経営再建中で実質赤字が続いていたのに自民党(国民政治協会)に献金したのは違法として、献金の返還を求める株主代表訴訟が提起されました。03年2月、福井地裁判決は、「政界と産業界との不正常な癒着を招く」と断罪しました。

 熊谷組広報室は、「00年以降、政治献金は行っていない。それ以前については事実関係を調べる」としています。



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