2009年5月30日(土)「しんぶん赤旗」

人権侵害の退職強要

日本IBMを提訴

JMIU組合員 不法行為やめよ


 どう喝や中傷など人権侵害の退職強要によって精神的苦痛を受けたとして、JMIU(全日本金属情報機器労組)日本アイビーエム支部の組合員三人が二十九日、日本IBMを相手取り、退職強要の差し止めと損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしました。

 訴状などによると、同社は昨年十月から年末にかけ、減収を口実に大リストラを実施。管理職を通じ、対象者を何度も面談に呼び出し、応じない社員には、「四十八時間以内に退職を選ばなければ解雇する」と強要しました。組合の推計で、約千五百人が退職しました。

 退職を拒んだ原告三人が都内で記者会見しました。男性(59)は、残った社員も退職者の多くも、度重なる面談でうつ病にされていると指摘。昨年末に記者会見して実態を訴えて以降、自身に対する面談はやんだと言います。「会社の犯罪的な不法行為を糾弾し、頭を下げさせたい」とのべました。

 原告の男性(51)は、最初の面談で退職を断ったにもかかわらず、一カ月で五回の面談を強いられたと告発。眠れずに飲んだ睡眠薬でぜんそくが悪化し、薬が手放せないと話しました。

 別の男性(44)は二回目の面談で、上司が机をけり上げ、「ふざけるな」とどう喝されたと報告。仕事を取り上げられ、中途採用者用の研修を受けさせられているとのべました。

 支部の大岡義久副委員長は、「大もうけしているIBMが、さらにもうけるためのリストラだ」と批判。退職を拒んだ社員への新たな強要が続き、休職者も多く、「会社は病人をさらに追い込んでいる」と批判しました。



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