2009年5月20日(水)「しんぶん赤旗」

政府の公務員制度改革をどう考える?


 〈問い〉日本共産党は、政府がすすめる「公務員制度改革」についてどう考えますか。(京都・一読者)

 〈答え〉公務員制度は、国民と労働者からみて大きな改革が求められています。そのひとつが天下り禁止です。

 2006年に発覚した防衛施設庁談合事件では、政府からの受注金額が多い企業ほど多くの天下り官僚を受け入れる関係が明らかになりました。補助金を受ける公益法人にも多数の官僚が天下っています。そこに企業や業界団体の献金を受けて活動する“族議員”が加わり、歴代自民党政権のもとで政官財の癒着構造がつくられてきました。それが、政治腐敗や税金のムダ遣いの温床となって国政をゆがめ、公務員の「全体の奉仕者」(憲法15条)としての性格もゆがめてきたのです。

 日本共産党は、この癒着構造にメスを入れ、ゆがみを正すには、何より企業・団体献金の禁止が必要だと考えます。同時に公務員制度の側でも、天下りを禁止し、一部のエリート公務員を優遇するキャリア・システムを廃止するなどの改革が不可欠の課題となっています。

 ところが、自公政権が行おうとしている「改革」は、国民の批判に応えるポーズをとりながら、財界の求める新自由主義的「構造改革」をすすめるものになっています。天下りについては、省庁によるあっせんを禁止するだけで、原則自由化するという国家公務員法の改悪が、安倍内閣のもとで行われました。官民人材交流センターを新たに設置して、官と財の交流をいっそう推進するのが狙いです。

 昨年、福田内閣のもと、民主党の修正で成立した国家公務員制度改革基本法は、幹部公務員に対する首相官邸の人事権限を強化するための内閣人事局創設などを求めるものでした。そのための国家公務員法「改正」法案が国会に提出されています。人事権限を盾に「構造改革」への恭順を求めるのが狙いです。

 日本共産党が考える公務員制度の改革のもうひとつの課題は、はく奪された労働基本権の回復です。それがあいまいなことも、自公政権の「改革」の性格をよく表しています。(山)

〔2009・5・20(水)〕


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