2009年5月19日(火)「しんぶん赤旗」

「古い自民」そのまま

民主代表代行に小沢氏


 民主党の鳩山由紀夫代表は、新執行部人事で、小沢一郎前代表を選挙担当の代表代行に起用することを決め、「古い自民党体質や官僚体質を打ち破り、国民が主役の政治をつくりたい」(十八日)などと述べました。

西松疑惑を不問

 代表代行に就任する小沢氏は、自らの西松建設違法献金疑惑について、「一点のやましいところもない」と依然開き直ったままです。党の代表選では誰一人として疑惑解明の声を上げず、「小沢代表の今日までの功績は誰もが認めるところ。間違いなくその評価を怠っては決してならない」(鳩山氏)と責任を不問にしたのです。

 しかし、小沢氏の姿勢に「納得できない」という声は78%(「朝日」十八日付)にのぼっています。小沢氏が党の重要な役職に就くことにも54%(「日経」同前)が反対を表明。民主党議員が「国民や党に迷惑をかけて辞任して、辞任してすぐにポストに就くのはいかがなものか」(前原誠司同党副代表、十七日の民放番組)と言わざるを得ないのも、国民世論とかけ離れた党運営をしているからです。

 鳩山氏は十七日、「小沢氏は潔白だと思っている。(西松建設と)つながっていると思われる節が一般的にあるが、現実にない」(NHK番組)などと小沢氏を全面的に擁護しました。

 小沢氏の疑惑は、ゼネコンからダミー(隠れみの)団体を通じて献金を受け取るなど、まさに古い自民党的な金権体質を示したものです。その責任を不問に付し、国民の納得もないままに、小沢氏を党の要職に就けておいて、「古い自民党体質を打ち破る」などと言う資格はありません。

 「友愛」や「国民が主役」を掲げても、鳩山氏の口からは、行き場のない失業者の気持ちに寄り添い、大企業の「派遣切り」をやめさせることや、小泉「構造改革」路線を抜本的に転換するという言葉は出てきません。

消費増税と改憲

 一方で、鳩山氏は十七日のNHK番組で、消費税増税について、「次の次の総選挙になれば、排除するつもりはない」と発言。憲法改定についても、「六十年変わっていない。ここに最大の問題がある」と述べ、改憲原案の審査権限をもつ憲法審査会の始動を容認する立場を示しました。

 「政権交代」を声高に叫び、代表を代えても、民主党からは自民党政治のどこを変えるのかはまったく見えてきません。(小林拓也)



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