2009年5月17日(日)「しんぶん赤旗」

民主代表に鳩山氏

雇用・くらし打開 議論にならず


 民主党は十六日、東京都内のホテルで衆参両院議員総会を開き、西松建設違法献金事件を受けて党代表を辞任した小沢一郎氏の後任に、鳩山由紀夫幹事長を選出しました。開票の結果、鳩山氏が百二十四票、岡田克也副代表が九十五票をそれぞれ獲得しました。新代表の任期は、小沢前代表の残りの任期が切れる来年九月までです。

 鳩山氏は代表就任後の記者会見で、小沢氏が西松事件について「必ずしも十分に説明をつくしていないのも事実だ」としつつも、同党が設けた第三者委員会などで説明すべきだと述べただけで、新執行部として事件への反省や疑惑の究明で責任を果たす姿勢は示しませんでした。

 また、小沢前代表について、「できるだけしっかりとしたポストに就いていただきたい」と、新体制で重要なポストに起用する考えを表明。「小沢代表時代の政策が間違っていたというわけではない」として、今後も継承・発展させていくと表明しました。

 代表選で鳩山、岡田両氏は、「脱官僚」のために政権交代が必要だと強調しましたが、雇用悪化や中小企業の経営難など、経済不況のもとでの国民が直面する緊急な事態については、代表選の議論でも重点的な争点とはなりませんでした。


西松問題で自浄作用働かず 市田氏会見

 日本共産党の市田忠義書記局長は十六日、民主党新代表に鳩山由紀夫氏が選出されたことについて国会内で記者団から問われ、「今度の民主党代表選挙は西松建設献金事件で公設秘書が逮捕された小沢一郎前代表の辞任がことの真相であるのに、鳩山氏も岡田克也氏も西松建設問題に触れなかった。金権政治を打破していくという点で民主党の自浄作用が働いていないことに驚いた」と述べました。

 その上で市田氏は、「代表は代わったが、大企業・アメリカいいなりという政治の大もとにメスを入れず、民主党のこれまでの方向とまったく変わっていない。自民、公明の政治を打破してほしいという国民の期待には応えられない」と強調。鳩山氏が「政権交代」「官僚政治の打破」と訴えていることについて、「『官僚のムダ』はいうが、『大企業へのムダづかい』『アメリカへのムダづかい』にメスを入れるとはいわず、消費税という、収入の少ない人ほど負担が重くなる税に財源を求める。この点でも、民主党のこれまでの方向とまったくかわらない」と述べました。


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